◎アフガニスタンにおけるポリオワクチンキャンペーンの実施は3年以上ぶり。
10月18日、国連はアフガニスタン国内で全国規模のポリオワクチン接種キャンペーンを実施すると発表した。
世界保健機関(WHO)によると、アフガニスタンにおけるポリオワクチンキャンペーンの実施は3年以上ぶりだという。
国際連合児童基金(ユニセフ)は声明で、「キャンペーンは11月初旬に実施する予定で、タリバンの全面的な支援を受ける」と述べた。
また、タリバンは女性職員のキャンペーン参加を許可し、職員の安全を確保(警備)することに合意したという。
タリバンを含むイスラム過激派組織は以前、ポリオワクチンの接種に強く反対し、「ワクチンはイスラム教徒を殺菌する西側の陰謀」と主張していた。
ユニセフによると、キャンペーンは11月8日から始まる予定で、目標は国内の5歳未満の児童約1,000万人全員に接種することだという。
一方、ユニセフと共にキャンペーンを主導するWHOは18日、「接種対象には、過去数年の間にワクチンを接種できなかった5歳以上の児童推定330万人も含まれる」と述べた。
アフガニスタンのユニセフ代表エルベ・ルドビッチ・デ・リス博士は声明の中で、「このキャンペーンでアフガニスタンのポリオ撲滅に向けた取り組みを大きく前進させることができます」と述べた。「ポリオを撲滅するためには、アフガニスタン全土のすべての子供にワクチンを接種する必要があります」
ユニセフは隣国パキスタンでも同様のキャンペーンを実施すると明らかにした。
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の子供がかかることが多い麻痺などを起こす病気である。アフリカ大陸は昨年ポリオの撲滅を宣言しており、世界でこの病気が確認されている国はアフガニスタンとパキスタンだけだった。
近年、一部のイスラム過激派組織はポリオワクチンを接種した児童やキャンペーンに参加した女性を攻撃し、少なくとも数十人を殺害した。