◎キャンペーン期間は8日から11日までで、過去3年の間にワクチンを接種できなかった児童推定330万人を含む約1,000万人に接種する予定。
11月7日、アフガニスタンの公衆衛生省は5歳未満の児童に対する全国規模のポリオワクチン接種キャンペーンを8日から開始すると発表した。
アフガニスタンの旧政府は過去3年間ポリオワクチンの展開を禁じていた。タリバンや他のジハード組織との戦闘が激化したためである。
一方、タリバンを含むイスラム過激派組織はポリオワクチンに強く反対し、「ワクチンはイスラム教徒を殺菌する西側の陰謀」と主張していた。
タリバンのカランダール・エバッド公衆衛生大臣代理は7日の声明で、「ポリオは子供に永続的な障害を引き起こす可能性があるため、ワクチンの接種は極めて重要です」と述べた。
アフガニスタンの隣国パキスタンは世界で唯一ポリオが流行している国であり、アフガニスタンも同じ事態に陥る可能性がある。ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の子供がかかることが多く、麻痺などを引き起こす。アフリカ大陸は昨年、撲滅を宣言した。
接種キャンペーンに参加する国内の女性労働者たちは、子供のいる世帯を戸別訪問しワクチンを無料で提供する。
エバッド公衆衛生大臣代理によると、キャンペーン期間は8日から11日までで、過去3年の間にワクチンを接種できなかった児童推定330万人を含む約1,000万人に接種する予定だという。
エバッド公衆衛生大臣代理は声明の中で、「キャンペーンを成功させるためには全部門の支援と協力が欠かせません」と述べた。
タリバンは先月、キャンペーンの主催者である世界保健機関(WHO)と国際連合児童基金(ユニセフ)の提案を承認した。
一部の専門家は、タリバンの決定は西側諸国と国際機関に協力する意思があることを示していると指摘した。
タリバンは崩壊寸前の経済を救うためにより多くの国際援助を必要としている。