◎タリバンは攻撃を非難し、一切の関与を否定した。
アフガニスタンの現地メディアによると、首都カブール西部のシーア派が過半数を占める地区にある女子校近くで爆弾が爆発し、少なくとも30人が死亡したという。犠牲者の大半は11歳から15歳の女子生徒だった。
タリバンは攻撃を非難し、一切の関与を否定した。
内務省の報道官は声明で、爆弾は5月8日の現地時間午後4時30分頃にシェド・アル・シャハダ校の近くで爆発し、犠牲者と負傷者はさらに増える可能性があるという。
爆発音を聞いた周辺住民、ナサー・ラヒミ氏はAP通信の取材に対し、「爆発音を3回聞いた」と述べたが、当局は爆発の回数には言及しなかった。
ラヒミ氏によると、爆弾は女子校の下校時間に合わせて爆発したという。当局は現場を調査しているが、詳細はまだ明らかにされていない。
爆発に巻き込まれ腕を骨折した15歳の女子生徒は地元メディアの取材に対し、「クラスメートと帰る途中だった」と語った。「1回目の爆発から数分後に別の爆弾が爆発して、またすぐ爆発がありました。周りは血の海でした」女子生徒の友人は死亡した。
スンニ派イスラム教のジハード組織は少数派のシーア派教徒を皆殺しにすると宣言している。アメリカは昨年、同じ地区で妊婦と新生児を20人以上虐殺したイスラム国(IS)を非難した。
ソーシャルメディアでは今回の爆発の犠牲者と思われる遺体の画像が複数共有されている。
ムハンマド・アリ・ジンナ病院を取材したAP通信のジャーナリストによると、廊下と病室に安置された遺体を少なくとも20体確認したという。病院周辺は負傷者と生徒の家族たちで混雑していた。
タリバンのスポークスマン、ザビアラ・マジャヒッド氏は声明の中で、「このような凶悪事件に関与する組織はISだけだと思う」と述べた。
マジャヒッド氏はアフガニスタンの諜報機関はISに加担していると主張したが、証拠は提供しなかった。
タリバンとアフガニスタン政府は、学生、ジャーナリスト、その他の専門家を標的にしたいくつものテロをめぐって非難を交わしている。ISと関連組織はいくつかにテロに関与しているが、ほぼ野放し状態である。
アフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領は8日の声明で女子校爆破はタリバンの犯行と非難したが、証拠は提供しなかった。
ISは以前、同じ地区のシーア派に対する攻撃を決行しており、昨年は教育施設を2回襲っている。この攻撃で射殺された50人の大半は学生だった。
アフガニスタンに駐留している米兵2,500~3,500人の撤退任務は5月1日に始まった。完全撤退は遅くとも9月11日までに完了する予定である。
米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は先週、撤退が進むにつれてタリバンを含むイスラムジハード組織の攻撃は激しくなる可能性があると警告した。