◎教育相は20日、書簡で女子学生の就学を禁じると発表。期間は「追って通知があるまで」とした。
2022年12月21日/アフガニスタン、首都カブールのカブール大学前(Ali Khara/ロイター通信)

アフガニスタンの大学は21日、タリバン指導部の決定に基づき、多くの女子学生をキャンパスから追放した。

女子学生の大学就学を認めないという決定は西側諸国の怒りを煽り、一部のタカ派は凍結したアフガン中央銀行の資産を溶かすようバイデン(Joe Biden)米大統領に提案した。

国連のアフガン特使は20日、タリバンに対し、決定を直ちに撤回するよう要請した。

ロイター通信はカブール大学から追い出された女子学生の話を引用し、「武装したタリバン兵に立ち去るよう命じられた」と報じた。

他のメディアも私立大学や中等学校に多くの武装兵が配備されたと報じている。

カブールの私立大学で経営学を学ぶ女子学生はAP通信の取材に対し、「大学に行ったらタリバンが門の前にいて、追って通知があるまで大学に入ることは許されないと言われた...みんな泣いていた」と語った。

タリバンによると、この決定は閣議で決まったという。

教育相は20日、書簡で女子学生の就学を禁じると発表。期間は「追って通知があるまで」とした。

タリバンの一部の報道官や高官は最近、女子教育に賛成すると発言していたが、国連と西側諸国の希望は打ち砕かれた。

一部のメディアは南部カンダハルに拠点を置く最高指導者が指導部に圧力をかけ、就学を禁じさせたと報じている。この最高指導者はタリバン指導部のメンターとされ、決裁権を持っているようだ。

タリバンは女子の中等教育(小学6年生以上)も禁じている。指導部は女子生徒向けの教育計画を策定中と主張しているが、完成時期は明らかにしていない。

AP通信によると、タリバン兵はカブールの4つの大学に入り、女子学生に帰宅を命じ、他の女性と同じ仕事に就くよう促したという。

カブール大学の広報担当者は女子学生向けの講義を取りやめたと認めている。なお、一部の女子学生は事務処理の都合でキャンパス内への立ち入りを許可されたという。

カブールの少なくとも4つの大学で女子学生の卒業式が行われたと報告されている。

タリバンは昨年8月の政権奪取直後、女性や少数派の権利を尊重するより穏健な統治を約束したが、シャリア(イスラム法)に基づく人権を尊重しない統治にかじを切った。

女子は就学を禁じられ、女性は仕事を制限され、公の場ではブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)の着用を義務付けられている。

さらに女性は公園やジムの利用も禁じられた。

教育相は20日の書簡で私立および公立の大学に対し、できるだけ早く禁止措置を実施し、措置を実施した時点で教育省に報告するよう命じている。

この決定は未曽有の人道危機に直面している市民への支援に影響を与える可能性がある。米国は女子教育の改善をタリバン政権を正式承認する条件のひとつとしている。

西側諸国はタリバン指導部に対し、速やかに学校を再開し、女性の基本的人権を保障するよう求めている。

2022年12月21日/アフガニスタン、首都カブールの私立大学前(Wakil Kohsar/AFP通信/Getty Images)
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