◎アフガンの経済状況は悪化の一途をたどり、市民数千万人が国連やNGOの支援に頼り切っている。
アフガニスタンを統治するタリバンは9日、首都カブールの空港からトルコに救援物資を送る貨物便が出発するという噂が広まったことに懸念を示し、市民に誤情報を流さないよう促した。
現地メディアによると、空港周辺にはこの救援便に乗ってトルコに亡命したい市民数十人が集まり、乗り移るチャンスを伺っていたという。
ソーシャルメディアには「トルコ行きの便がある」「トルコに行けるぞ」といったコメントが多数寄せられ、あるツイッターユーザーが共有した動画には空港に向かって走る数十人の姿が映っていた。
その光景は2021年8月の政変時にカブールの空港で発生した混乱を思い起こさせた。多くの市民が離陸を試みる米軍機と並走し、数人が犠牲になったニュースは世界に衝撃を与えた。
アフガンの経済状況は悪化の一途をたどり、市民数千万人が国連やNGOの支援に頼り切っている。タリバンによる女性の権利や活動を制限する政令は貧困に拍車をかけている。
カブール在住の男性はAP通信の取材に対し、「トルコを支援する活動が始まったと聞き、参加しようと思った」と語った。
空港に駆け付けた青年は、「トルコで支援活動に参加し、そのままどこかに亡命できると思った」と述べた。
この青年は厳しい寒さの中、空港近くで3時間ほど待機し、タリバン報道官が「トルコ行きの便はない」と発表した後、帰路についた。
カブール警察の報道官は声明で、「トルコ行きの便は存在せず、誤情報で公共の秩序を乱してはならない」と市民に呼びかけた。
タリバン指導部はトルコ・シリア両政府に哀悼の意を表している。
この地震による死者は9日時点で2万人に達し、さらに増加すると予想されている。タリバンはトルコに1000万アフガニ(約1400万円)、シリアに500万アフガニ(約720万円)相当の救援物資を送る予定だ。