◎現地警察は石油施設で働いていた3人が死亡し、アブダビの国営エネルギー会社が運営している別の工業地帯でも数人が負傷したと発表した。
1月17日、イエメンのシーア派武装勢力フーシがUAE(アラブ首長国連邦)の石油施設をドローンで攻撃し、少なくとも3人が死亡、数人が負傷した。地元メディアによると、アブダビ国際空港も攻撃を受け、火災が発生したという。
現地警察は石油施設で働いていた3人が死亡し、アブダビの国営エネルギー会社が運営している別の工業地帯でも数人が負傷したと発表した。
事件後、UAEの高官はツイッターに、「イエメンのテロリストはアブダビの民間施設に攻撃を仕掛け、民間人を殺害した」と投稿した。
フーシ派は「UAEの攻撃に関与した」という犯行声明を発表したが、詳細は明らかにしなかった。UAE軍はイエメン内戦からほぼ撤退したが、フーシ派と戦うイエメン政府への支援は継続している。
一方、フーシ派はイラン、レバノンのヒズボラ、複数のイスラム過激派組織から支援を受けている。
世界最悪の人道危機を引き起こしたイエメン内戦(サウジ連合軍vsフーシ派)の死亡者数は両軍合わせて13万人を超え、民間人約12,000人が殺害されたと推定されている。
AP通信によると、石油施設では3隻の石油タンカーから出火し、アブダビ国際空港でも火災が発生したという。
現地警察は記者団に対し、「初期調査の結果、ドローンと思われる小さな飛行物体が石油施設と国際空港に落下し、爆発と火災を引き起こした可能性が高い」と述べた。
イエメン軍は今年初め、国の北部地域を完全に支配するというフーシ派の目標を打ち砕き、主要な州と町からフーシ派の戦闘員を押し出した。サウジアラビアもイエメン軍と共にフーシ派の拠点を空爆したと伝えられている。
サウジアラビア政府は17日の声明でUAEに対する攻撃を「臆病なテロ攻撃」と呼び、フーシ派を非難した。
アブダビ国際空港で発生した火災の規模は明らかにされていないが、一部の路線が影響を受けたと伝えられている。
国営のエティハド航空は17日、「一部の路線で遅延が発生したものの、空港は通常通り営業している」と述べた。AP通信によると、アブダビ国際空港は取材に応じなかったという。
攻撃を受けたとされる石油施設の近くには米仏軍の拠点であるアル・ダフラ空軍基地がある。米軍の現地指揮下アンドリュー・クラーク将軍はAP通信に、「基地に影響は出ておらず、要請があれば支援を提供する準備はできている」と述べた。
一方、UAEを訪問中の韓国の文在寅 大統領とムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首相は16日の首脳会談で、UAEに韓国の地対空ミサイルを提供する暫定合意に達した。価格は約35億ドル(4,000億円)。
フーシ派は爆弾を搭載したドローンやミサイルなどでサウジとUAEを何度も攻撃しており、空港、石油施設、パイプラインなどが被害を受けている。