UAE、イエメンで10億ドル規模のエネルギー事業開始へ
事業はアブダビに拠点を置くグローバル・サウス・ユーティリティーズ(GSU)が実施し、同国の電力供給網を再構築する大規模な取り組みとなる。
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アラブ首長国連邦(UAE)は22日、イエメンのエネルギー分野の再建を支援するため、総額10億ドル規模のエネルギー事業を開始すると発表した。
事業はアブダビに拠点を置くグローバル・サウス・ユーティリティーズ(GSU)が実施し、同国の電力供給網を再構築する大規模な取り組みとなる。
GSUによると、今回の合意には太陽光発電と風力発電の新規プロジェクトに加え、国内の電力配電網の整備や近代化が含まれ、複数の地域で段階的に事業が進められる見通しだ。
イエメンでは約30年にわたり電力危機が続いており、慢性的な燃料不足や長期化する武力衝突で国家の電力インフラが深刻な損傷を受けてきた。
特に2014年以降の内戦により電力網は弱体化し、多くの地域で住民生活や産業活動が大きく制限されている。
こうした状況の中で、再生可能エネルギーは重要な代替手段として注目されている。
近年は改善の兆しも見られ、南部アデンに建設された同国初の大規模太陽光発電所が電力不足の緩和に寄与している。
この発電所もUAEの資金援助によって建設されたもので、再生可能エネルギーの導入を後押しする象徴的な事例となっている。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2023年のイエメンにおける太陽光発電の割合は10.4%にとどまったが、アデン太陽光発電所の第2期計画が2026年に予定されており、稼働開始後は同発電所の発電容量が倍増する見込みだ。
UAEとGSUの新たな投資は、紛争で荒廃したイエメンにおいてエネルギー安定供給の基盤を再構築する上で重要な一歩とみられる。再生可能エネルギーの拡大と送電網の整備が同時に進むことで、同国が抱える長期的な電力危機の緩和につながるかが注目される。
