◎シリアとイラクにはISISの残党が6000~1万人ほどいると推定されている。
イスラム国の戦闘員(Getty Images)

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は30日、自国軍がシリアのイスラム国(ISIS)の最高指導者を殺害したと発表した。

それによると、トルコ軍はアブ・フセイン・フセイニ・クラシ(Abu al-Hussein al-Husseini al-Qurashi)の殺害に成功したという。

フセイニ・クラシは昨年11月に前任のアブハサン・ハシェミ・クラシ(Abu Hasan al-Hashemi al-Qurashi)が戦闘で死亡したことを受け、指揮権を引き継いだとされる。

ISIS指導者の名前は本名ではなく、イスラム教の預言者ムハンマドの部族の末裔であると主張する必要があり、クラシはその部族を指している。

エルドアン氏は国営テレビの取材に対し、「ISISの最高指導者は軍情報機関による29日の作戦で無力化された」と語った。

ISISおよびそれを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通信は今のところ声明を出していない。

エルドアン氏は「情報部は長い間、フセイニ・クラシを追跡していた」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

ロイター通信はシリア情報筋の話として、「作戦はトルコ国境に近い北西部の要衝ジャンダリスで行われた」と伝えている。

米軍特殊部隊は昨年2月、シリアのISIS拠点を包囲し、当時の最高指導者であるアブイブラヒム・ハシミ・クラシ(Abu Ibrahim al-Hashimi al-Quraishi)を追い詰めた。ハシミ・クラシは包囲された後、家族と共に自爆した。

バイデン(Joe Biden)大統領は当時、「この対テロ作戦により、世界を脅かす大きな脅威は取り除かれた」と述べていた。

ISISはそれから9カ月後、ハシミ・クラシの後を継いだとされるハシェミ・クラシが死亡したことを認めた。

米政府によると、ハシェミ・クラシは反体制派・自由シリア軍(FSA)がシリア南西部で昨年10月中旬に行った対テロ作戦で死亡したという。

米国の支援を受けるシリアの民兵は2019年3月にイラクと国境を接するシリア東部の最後の占領地をISISから奪還したが、それ以降もISISの残党やそのイデオロギーを受け継ぐ組織の攻撃は続いている。

シリアとイラクにはISISの残党が6000~1万人ほどいると推定されている。

ISISの地域組織は世界の紛争地域で脅威となっている。国連はアフガン、ソマリア、チャドのISIS組織を最も勢いのあるテロ組織と評価している。

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