◎エジプトはイスラエルとパレスチナのガザ地区を実行支配する過激派組織「ハマス」との仲介役を長年にわたって務めてきた。
エジプトのシシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領は1日、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と電話会談を行い、政権復帰を祝福した。
大統領府の報道官によると、シシ大統領はネタニヤフ氏に祝意を伝えたうえで、湾岸地域の緊張を高めるような行動は控えるよう要請したという。
イスラエル史上最も右寄りや政府はヨルダン川西岸地区の入植地開発を最優先すると誓っている。
エジプト大統領府は声明の中で、「シシ大統領はネタニヤフ首相に、地域の情勢を複雑にするような行為を避けるよう要請した」と述べている。
またシシ大統領は、「イスラエルとパレスチナ間の平静を保つ努力を支持する」と表明した。
イスラエル首相府は声明で、「両首脳はエジプトとイスラエルの関係について話し合い、両国民および中東のすべての人々のために、平和、安定、安全を促進することの重要性を確認した」と述べている。
ネタニヤフ氏は昨年末に首相に返り咲き、極めて保守的な極右政権を発足させた。
ヨルダン川西岸地区におけるユダヤ人入植地の拡大は、すでに悪化しているイスラエルとパレスチナ間の緊張を高める可能性が高い。
一方、エジプトとイスラエルは1979年に和平合意に達している。両国の関係は良好とは言えないが、それでも水面下での安全保障協力は強い。両国の関係は近年、改善傾向にあるように見える。
ベネット(Naftali Bennett)元首相は2021年、エジプトのシャルムエルシェイクでシシ大統領と会談した。イスラエルの首相がエジプトを公式訪問したのは10年以上ぶりであった。
また両国は昨年6月、ロシア産エネルギーへの依存度を下げる取り組みとして、欧州諸国への液化天然ガス(LNG)輸出を拡大する協定をEUと締結している。
エジプトはイスラエルとパレスチナのガザ地区を実行支配する過激派組織「ハマス」との仲介役を長年にわたって務めてきた。