栄養失調で子供66人死亡、イスラエルの「兵糧攻め」続く ガザ地区
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は27日午後の時点で5万6412人、負傷者は13万4406人となっている。
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イスラエル軍が28日、パレスチナ・ガザ地区の南部やガザ市などを砲撃・空爆し、過去24時間で少なくとも60人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは保健当局者の話しとして、「この1カ月間で少なくとも66人の子供が栄養失調により死亡し、一部は避難所で餓死していた」と伝えている。
それによると、米国主導のガザ人道財団(GHF)が先月末に活動を開始して以降、状況は改善せず、むしろ悪化しているという。
GHFは米国とイスラエルが主導し、5月27日に配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で550人以上のパレスチナ人が殺害され、4000人以上が負傷している。
アルジャジーラの取材に応じた保健当局者は「GHFが牛乳や栄養補助食品、その他生きるために不可欠な栄養を含む食品の入手を妨げている」と非難した。
また当局者はイスラエル軍の兵糧攻めを「戦争犯罪」と呼び、「パレスチナ人を根絶するために、食料支援を制限して意図的に飢饉を引き起こそうとしている」と述べた。
さらに、国際社会はガザ地区における継続的な犯罪行為により飢餓、病気、緩慢な死にさらされる子供たちの苦痛に沈黙し、何の行動も起こせずにいると断じた。
そして、イスラエルとその同盟国である米国、イギリス、フランス、ドイツが「この大惨事」を引き起こしているとして、国連に対し、ガザ紛争に直接介入し、イスラエルの国境封鎖を解除するよう求めた。
イランとイスラエルの戦争は米国の仲介で停戦にこぎつけたが、ガザ紛争が終結する見通しは立っておらず、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議は完全に停滞している
イスラエル側は5月末にトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めている。
ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案している。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は27日午後の時点で5万6412人、負傷者は13万4406人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。