イスラエル軍、ガザ全域で50人殺害、配給所で発砲相次ぐ
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は16日午前の時点で5万5432人、負傷者は12万9109人となっている。
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イスラエル軍が16日、パレスチナ・ガザ地区全域を砲撃し、過去24時間で少なくとも50人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、犠牲者の半数近くが南部で活動するガザ人道財団(GHF)の食料配給所とその周辺でイスラエル兵に殺害されたという。
国連はガザ当局の発砲を受け、イスラエル兵が食料を求める住民を攻撃していると非難した。
ガザ当局は声明で、南部ラファの配給所とその周辺で少なくとも23人が死亡、約200人が負傷したと明らかにした。
GHFは米国とイスラエルが主導し、5月27日に配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で300人近くのパレスチナ人が殺害され、2600人以上が負傷した。
GHFは声明で、16日に3つの配給拠点から300万食以上を事故なく配給したと主張した。
イスラエル軍は16日の発砲・砲撃についてコメントしていない。
イスラエル軍は過去に配給所での発砲を認め、武装勢力が許可していないエリアに立ち入ったことが原因であると主張していた。
南部ハンユニスのナセル病院には多くの遺体が搬送され、合同葬儀が執り行われた。
銃撃を目撃したという男性はロイター通信の取材に対し、「私たちは食料を貰いに行っただけなのに、イスラエル兵は躊躇なく発砲し、子供を含む非武装の市民を虐殺した」と語った。
GHFに対する国際的な批判が高まる中、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議は難航している。
イスラエル側はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めている。
ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案している。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は16日午前の時点で5万5432人、負傷者は12万9109人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。