◎この爆発は歴史上最大の非核爆発のひとつとされ、少なくとも218人が死亡、6000人以上が負傷、数十万人が住居を失った。
2020年8月4日/レバノン、ベイルート港の爆発地点近く(Hassan Ammar/AP通信)

レバノンの首都ベイルートで4日、4年前の爆発事故に抗議する小規模な集会が開かれ、犠牲者の遺族ら数十人が参加した。

この事故は2020年8月4日に発生。港の施設内で不適切に保管された硝酸アンモニウムが爆発し、爆心地周辺の建物はほぼ全壊、衝撃波は200キロ先のキプロスに到達した。

この爆発は歴史上最大の非核爆発のひとつとされ、少なくとも218人が死亡、6000人以上が負傷、数十万人が住居を失った。

この爆発に関連する捜査はほとんど進展しておらず、当時の政府高官は説明責任を逃れ、今のところ誰一人逮捕されていない。

レバノンを事実上支配する親イラン民兵組織ヒズボラの幹部は事故の責任を港湾当局になすりつけ、隣国イスラエルとの衝突に心血を注いでいる。

集会に参加した女性はAP通信の取材に対し、「4年経っても誰一人逮捕されず、捜査当局は何もできずにいる」と語った。

この事故後に就任したミカティ(Najib Mikati)首相は正義を追求すると約束しているが、捜査が進む目途は立っておらず、同氏はヒズボラとイスラエルの衝突でも蚊帳の外に置かれている。

この事故の捜査を担当する検察官は10人以上の政府、治安、港湾、警察の高官を起訴している。犠牲者の遺族は検察を支持しているが、捜査開始以来、検察の取り調べに応じた高官はごくわずかである。

レバノンの経済は未曽有の通貨危機、コロナの大流行、ウクライナ戦争、ガザ紛争の影響で低迷。そんな中でも、ベイルート港の昨年の収益は1億5000万ドルまで回復した。

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