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▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は15日午前の時点で4万8239人、負傷者は11万1676人となっている。
2025年2月15日/パレスチナ自治区、ガザ地区、イスラエルとの捕虜交換で解放された男性(Getty Images/AFP通信)

イスラエルとパレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが15日、6回目の捕虜交換を行った。

ハマスはイスラエル人捕虜3人を解放。イスラエルはそれと引き換えに369人のパレスチナ人受刑者を釈放した。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、釈放された369人のうち4人は重体で、ヨルダン川西岸地区の病院に入院したという。

イスラエル人捕虜の体調は概ね良好に見えたが、パレスチナ人たちはやせ細り、歩くのに苦労している者もみられた。

ハマスは今週初め、イスラエルが停戦協定に違反したとして、捕虜の解放を追って通知するまで延期すると表明。トランプ(Donald Trump)米大統領はこれに激怒し、15日の正午までに約束通り捕虜を解放しなければ「地獄を見ることになる」と警告した。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相もトランプ氏の脅しを繰り返し、ハマスはその後、3人の解放を約束した。

ハマスは停戦合意の第2段階について、来週にもイスラエルとの間接交渉が開始されることを期待している。

ガザ停戦は1月19日に発効。それ以来、地区内でイスラエル軍の大規模攻撃は確認されていないが、散発的な発砲が何件が報告されている。

多くの市民が瓦礫の山と化した自宅に戻り、家族の遺品や使えそうな家具を探している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は15日午前の時点で4万8239人、負傷者は11万1676人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万2000人と推定されている。

今回釈放されたパレスチナ人の一部はイスラエルの刑務所で厳しい環境下に置かれたと語っている。

パレスチナ通信(WAFA)は専門家の話しとして、「多くの受刑者がやせ細り、ボロボロになっており、イスラエルの刑務所で拷問、虐待、嫌がらせが常態化していることを示している」と報じた。

釈放された男性はアルジャジーラの取材に対し、「砂漠地帯の刑務所に収監され、18カ月間、誰とも連絡を取れなかった」と語った。

また男性は「外部と連絡を取り合う手段はなく、世界から完全に孤立し、何が起きているのか全く知らなかった」と述べた。

停戦協定の概要
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。6週間続く予定。

▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。

▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。

▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。

▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。

▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。

▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。

▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。

▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。

▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。

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