◎ヨルダンとシリアの関係はアサド政権が主導するカプタゴン(アンフェタミン系薬物)の密売により、悪化の一途をたどっている。
アラブ4カ国の内相が17日、ヨルダンで会談し、この地域における違法薬物取引の撲滅方法について協議した。
ヨルダン、シリア、レバノン、イラクの内相は共同声明で、「情報を共有する機関を新たに設置することで合意した」と述べた。
また4カ国は「多くの国民が麻薬にむしばまれ、苦しんでいることを忘れてはならない」と強調した。
ヨルダンとシリアの関係はアサド政権が主導するカプタゴン(アンフェタミン系薬物)の密売により、悪化の一途をたどっている。
ヨルダン空軍はシリア南部の麻薬密売拠点や製造工場を何度も空爆している。
カプタゴンは「貧乏人のコカイン」と呼ばれ、アラブ諸国や欧州などで人気を集めている。シリア内戦でもカプタゴンが出回り、多くの戦闘員が恐怖心を薄れさせるために使用したとされる。
シリアのカプタゴン産業の規模は数十億ドルと推定されている。
ヨルダン当局は密売組織の拠点や取引現場をドローンで空爆するなどして密輸計画を阻止してきた。
密売組織は近年、ヨルダンを中継して他の石油資源が豊富なアラブ諸国や西欧にカプタゴンを密輸している。
4カ国によると、閣僚・担当者レベルの協議を継続することでも合意したという。