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シリア東部でISISによる襲撃、治安要員1人死亡

攻撃は東部デリゾールで発生。ISISはアマーク通信を通じて犯行声明を発表し、治安要員を標的にした襲撃を実施したと主張した。
シリア東部、炎上するトラック(Getty Images/AFP通信)

シリア東部で18日、過激派組織「イスラム国(ISIS)」が治安当局の車両を狙った攻撃を実行し、政府の治安要員1人が死亡、もう1人が負傷した。当局が19日、明らかにした。ISISが犯行声明を出し、攻撃を実行したと主張している。

攻撃は東部デリゾールで発生。ISISはアマーク通信を通じて犯行声明を発表し、治安要員を標的にした襲撃を実施したと主張した。ロイター通信は当局者の話しとして、「死傷した2人の治安要員は兄弟であり、いずれも政府側の部隊に属していた」と伝えている。

同地域では内戦とその後の混乱を背景にISIS残党勢力が散発的な攻撃を繰り返してきた。かつてISISが支配していた多くの地域は政府やクルド主導の部隊などによって奪回されたものの、砂漠地帯や辺境部では依然としてISIS系の活動が続いている。今回の攻撃はこうしたISISの影響力が完全に排除されていない現実を浮き彫りにした形だ。

この種の攻撃はシリア東部と北東部で断続的に発生している。過去にも治安部隊や軍関係者を狙った襲撃が報告され、デリゾール周辺では地雷や即席爆発装置(IED)による被害も相次いでいる。こうした脅威は治安部隊の掃討作戦が続く中でもISIS残党や同調勢力が一定の影響力を維持していることを示している。

シャラア政権はこれまで、ISISの脅威を抑えるための安全保障体制を強化するとともに、米国をはじめとする国際社会の支援を得て各地で掃討作戦を展開してきた。また、地域の治安回復と住民の安全確保を目的として、軍や民兵組織によるパトロールやチェックポイントの設置を強化している。だが、今回のような攻撃は依然として治安状況が脆弱であることを示している。

ISISは2014年に広大な領域を支配下に置いた後、国際的な軍事介入や現地勢力との戦闘で勢力を失ったもののが、カリフ制崩壊後も断片的なネットワークを維持してきた。シリア東部の砂漠地帯や国境に近い地域では現在もISIS系戦闘員が活動し、治安部隊への攻撃を継続している。

シリア内戦は2011年の勃発以来、複数の勢力と外部の介入によって複雑化してきた。アサド前政権と反政府勢力、クルド勢力、ISISといった各勢力が入り乱れる中で、和平と安定への道は依然として不透明なままである。また、周辺国や国際社会の関与も複雑な情勢を反映し、地域の安定には多方面での協調と長期的な取り組みが必要である。

シリア東部で続くこうした暴力事件は復興と治安回復を目指す政府の努力に課題を投げかけており、今後もISIS残党への対策と治安強化が焦点となる可能性が高い。

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