ジョニー氏(57歳)、アンバー女史(34歳)
「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの人気作で知られる俳優のジョニー・デップ氏(57歳)と、「マンディ・レイン 血まみれ金髪女子高生」で主演を演じ注目された女優、アンバー・ハード女史(34歳)により家庭内暴力裁判は、現在ロンドンで審理されている。
イングランド・ウェールズ高等裁判所での同案件に証人として出席したベン・キング氏は、二人の戦いについて、「些細なことから始まり、際限なくエスカレートしている。二人は小学生のように罵り合っている」と述べた。
デップ氏は、事実と異なる記事を書いたザ・サン (The Sun)を訴えている。その記事には、デップ氏が元妻のハード女史を激しく殴打した「危険な殴打者」と書かれており、ザ・サンはこれを事実だと主張している。
証人キング氏は、オーストラリア、ロンドン、バンクーバーにあるデップ氏の不動産を管理(2014年~2016年)していた元マネジャーである。証言台に立った同氏は、ザ・サンおよびハード女史が主張する「デップ氏の家庭内暴力、計14件」を否定した。
キング氏は裁判官に対し、「私が不動産を管理していた時、ハード女史の姿を頻繁に目撃した。そして、私が知る限り、デップ氏がハード女史に対し、暴力や不親切な行為をとっているようには見えなかった」と説明した。
デップ氏とバード女史が夫婦の契りを交わしていた期間は2015年から2016年。キング氏は2014年から不動産を管理していたので、二人が付き合っている時の様子も頻繁に目撃していたのだろう。
料理中のハード女史
7月15日の審理を終えたキング氏は記者団に対し、「私は、二人が互いの小さな主張をぶつけ合っているように思える。しかし、騒ぎがあまりにも大きくなり、二人とも引っ込みがつかなくなった」と述べた。
「ロンドンでのやりとりをよく覚えている。ハード女史はつないだ手をデップ氏が離したことに不信感を示し、『多分、あなたは私を愛していない』と不満を口にした。デップ氏の心情は測りかねるが、一瞬手を離しただけで愛していないと言われるのは辛いし、ハード女史の主張を受け入れるのであれば、食事やトイレ中も手をつながなければならないだろう」
さらにキング氏は二人の言い争いについて、「些細な対立はエスカレートした。しかし、主張の争点は非常に些細なことだ。私は二人の言い争いが小学生の口論にしか見えない」と述べた。
ロンドンとオーストラリアでの恋愛、夫婦時代の回想録から分かることは限られている。ハード女史は元夫に敵対心を燃やした。しかし、デップ氏は議論を望まず、妻と離れる(離婚)ことに全神経を集中したのだ。
キング氏は重要なことを述べた。「私は二人が殴打し合うところを一度も見たことがない。ハード女史の主張を非難するつもりはないが、少なくとも私は、デップ氏が殴打者になるところを見たことがなかった。また、デップ氏は仕事などで外出する際、必ず元妻に対し、『愛してる』『二度とやらない』などと言っていた」
キング氏は恐らくウソをついていない。デップ氏とハード女史が殴打し合うシーンを見たことがない、という話も真実だと思う。しかし、二人がプライベートなフロアで”何を”行っていたかまでは分からないのではないだろうか。
寝室でデップ氏が元妻を殴打した、もしくは殴打されていた可能性も否定できない。不動産を一元管理していたキング氏でも、寝室などの超プライベートエリアを常時監視していたはずはない、と思う。
エスカレート
2015年3月、酒と薬物に溺れたデップ氏は元妻ハード女史を襲撃し、「完全に破壊した」と訴えられている。ザ・サンとハード女史の主張が正しいか否かは現在審理中。
一方、訴えられたデップ氏は全く異なる主張で対抗している。2015年3月のオーストラリア旅行中、ハード女史は突然怒りを爆発させ、ウォッカ瓶を投てき。砕け散った破片に巻き込まれたデップ氏は、指を断裂したという。なお、ハード女史はこの主張を真っ向から否定している。
ハード女史はオーストラリアからロサンゼルスへ戻る便の中でキング氏に対し、「あなたも人生の中で大切な人を失った経験があるはず。私が怒っている理由は誰でも理解できる」と語った。
約5年前のやりとりを説明したキング氏は記者団に対し、「私も辛い経験をしたことはある、と答えた。そして彼女に、ウォッカ瓶を投てきしたことは事実かと尋ねた。ハード女史は『信じられない』というような顔をし、質問には答えなかった」
「オーストラリアの事件現場の深刻さ、そして、デップ氏の指は明らかに重傷を負っていた。デップ氏がウォッカ瓶投てきによって受傷した、と断言することはできない。しかし、二人の間に何かしらのトラブルがあったことは確かだろう」と述べた。
ギタープレイ中のデップ氏
ハード女史の元パーソナルアシスタント、ケイト・ジェームズ氏は以下のように証言している。
「ハード女史は毎朝2時から4時頃まで酩酊状態になり。その都度テキストメッセージをたくさん送ってくれた。またハード女史は、元夫が自分を陥れる悪質な証拠や写真を集めていると信じていた。私はこの告発を否定した」
イングランド・ウェールズ高等裁判所に証人として出廷したジェームズ氏は、ハード女史の主張する「暴力的なレイプ」は虚偽であり、自分自身に利益をもたらすための偽りだと説明した。
証言を終えたジェームズ氏は記者団に対し、「ハード女史は、私の人生の中で最も悲惨な経験を盗み、自分の証言に組み込んでしまった。私は過去に受けた性暴力から生き延びた。そして、その話をハード女史にしたのは間違いだった」と語った。
同日、高等裁判所にオンラインで出席、証言したデップ氏の現不動産マネジャー、ケビン・マーフィー氏は、「デップ氏が女性を襲撃することはないだろう」と説明した。
デップ氏の元ガールフレンド、ヴァネッサ・パラディ氏とウィノナ・ライダー氏も今回の審理に証人として出席する、と噂されている。なお、審理は3週間ほど続く予定。