2016年にエミー賞を受賞

2016年にエミー賞を受賞したカナダ出身の人気女優、「タチアナ・マスラニー」が、Disney + TVシリーズに登場するマーベルコミックの人気キャラクター、「シーハルク(She-Hulk)」にキャストされた。

スタンリー氏によって生み出された1980年代の女性ヒーローは、世界を席巻するマーベル・シネマティック・ユニバースに参戦し、ハルクと共演することになるかもしれない。

マスラニー氏の人気、キャリア、女優としての実力は、これまでの実績を見れば一目でわかる。そして、彼女の人気を決定づけたBBCアメリカのテレビドラマ、「オーファン・ブラック 暴走遺伝子(原題:Orphan Black)」では5シーズンで主演し、2016年にエミー賞を獲得した。

今回、マスラニー氏はスーパーヒーローの領域に進出することが決まった。

なお、映画「アイアンマン(原題:Iron Man)」から始まったマーベル・シネマティック・ユニバースの中で、マスラニー氏演じるシーハルクの登場が示唆されたことはなく、そのキャラクター自体を知らない、という方も多いはず。

シーハルクの全容

シーハルクとは?

1980年のマーベルコミックで初登場したシーハルクことジェニファー・ウォルターズは、マーベル映画に単独主演したハルクことブルース・バナーの”いとこ”である。

スタンリー氏によって生み出されたシーハルクは、1980年2月に発刊されたマーベルコミック「Savage She-Hulk #1」で初登場した。

マーベルのYouTubeチャンネルでは、ウォルターズを「その気になればありとあらゆるものを壊せる危険な弁護士」と呼んでいる。

ウォルターズは起訴に追い込んだ犯罪者から銃撃され負傷、従兄弟のバナーから輸血を受け、「巨大な緑色の怪物」に変身した。

バナーは全身をガンマ線に侵され理性を失ってしまうが、ウォルターズはその血液が身体の一部になったため、「少し穏やかな緑色の怪物」に変身した。

つまりシーハルクはハルクとは異なり、「変身した状態で理性を保つ」ことができたのである。なお、昨年公開され世界興行収入記録を塗り替えた「アベンジャーズ エンドゲーム(原題:Avengers: Endgame)」において、バナーも変身状態で理性を保つことに成功した。

Marvel.comは、シーハルクの持つ可能性について言及している。

Marvel.com:
「シーハルクはハルクより面白いキャラクターである。ウォルターズの野蛮な機知と自信がシーハルクのセンセーショナルな強さを支えるだろう」

「ハルクは”ハルクスマッシュ”や”ウオー”と叫ぶ幼稚的なキャラクターだが、彼女は違う。強靭な肉体と理性を併せ持つシーハルクこそ、次世代のスーパーヒーローである

ガンマ線入りの血液を輸血されたことで怪物と共存することになったウォルターズは、アベンジャーズやファンタスティック・フォーなどと協力してスーパーヴィランに立ち向かう。そして、人間に戻った時はニューヨークの法廷でも犯罪者と戦うのである。

コミック内のシーハルクは、奇妙なロマンスも体験することになった。なお、雷神ソーは変身状態の彼女と肉体関係を結んだが、ガンマ線の影響は受けなかった(と思われる)。

アベンジャーズでハルクを演じたマーク・ラファロ氏は、マスラニー氏のキャストをツイッターで歓迎した。

タチアナ・マスラニーとは?

氏名:タチアナ・ラスラニーTatiana Maslany
生年月日:1985年9月22日(34歳)
生まれ:カナダ、サスカチュワン州レジャイナ
身長:163cm
公式サイト: Instagram  ツイッター

マスラニー氏はカナダ出身の女優である。幼い頃に地元の作品やカナダの子供向けテレビシリース「2030 CE(2002~2003年)」などに出演した。

その後、カナダのテレビシリーズ「Heartland(2008~2010年)」と「Being Erica(2009~2011年)」に出演、BBCミニシリーズ「The Nativity(2010年)」では主要人物のメアリーを演じた。

マスラニー氏は映画「大人の映画スター(原題:Grown Up Movie Star)」で注目され、その年のサンダンス映画祭でブレイクアウトパフォーマンス賞を受賞した。

2013年、マスラニー氏はテレビドラマ「オーファン・ブラック(2013~2017年)」について、以下のように述べている。

タチアナ・マスラニー:
「自分のクローンを使うシーンの撮影は、私が俳優として直面した最大の課題のひとつだった」

「自分のクローンに話しかける私は、少し狂ったように見える。私は誰もいない空間に話しかけ、相手は反応を返してくれない。想像で演技することの難しさを痛感した」

「空気に話しかける時は、視線に注意しなければならない。撮影した映像に特殊効果を重ねた時、視線がブレたり明後日の方向を向いていると、視聴者は私を正真正銘の変人と思うだろう。技術的なプロセスの重要性も学ぶことができ、感謝している」

マスラニー氏がセットで体験した撮影や作業は、スーパーヒーロー映画でも大いに役立つだろう。マーベル作品では、グリーンスクリーンでの撮影とCGIをこなさねばならない。

[Trailer]オーファン・ブラック暴走遺伝子

女性ヒーローの台頭

生粋のマーベルファンはシーハルクのことを当然知っている。しかし、「マーベル映画は、まあ一応チェックする」という方は、恐らく彼女のことを知らないはず。

シーハルクは、コミック、TVシリーズ、単独主演映画、そしてマーベル・シネマティック・ユニバースで大活躍したハルクほど注目されなかった。

シーハルクことウォルターズは、「Enter: She-Hulk」というTVシリーズのエピソードに出演したものの、全く注目されなかった。そして、DCのワンダーウーマンTVシリーズに飲み込まれたのである。

1991年、シーハルクはデンマークの女優ブリジット・ニールセン主演で映画化される予定だったが、プロモーション活動でつまづき、スクリーンデビューを果たすことはできなかった。

シーハルクがテレビや映画館で”正しく表示されなかった”理由は文書化されていない。恐らく「資金不足」、あるいは「キャラクターがイマイチ」、「映像化しても興行収入は期待できない」と思われたためかもしれない。

しかし、状況は変わった。

マーベルの「キャプテン・マーベル(原題:Captain Marvel)」、DCの「ワンダーウーマン(原題:Wonder Woman)」の大ヒットは、女性ヒーロー映画の流れを大きく変えた。

また2015年にリリースされたNetflixのマーベルドラマシリーズ「ジェシカ・ジョーンズ(2015~2019年)」の成功も、今回のドラマ化を後押ししたと言える。

2020年末には、ガル・ガドット主演の「ワンダーウーマン 1984(原題:Wonder Woman 1984」とスカーレット・ヨハンソン主演の「ブラック・ウィドウ(原題:Black Widow」がリリースされる予定である。

また、マイティ・ソーシリーズの第4弾、「マイティ・ソー ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)」には、女性版雷神ソーが登場すると噂されている。

Disney + TVシリーズの「シーハルク」は、恐らく理性をしっかり保ち、大きな成功を収めるだろう。

なお、マーベル・スタジオの社長を務めるケヴィン・ファイギ氏は、「シーハルクは映画でもいずれかのキャラクターとコラボする」と述べている。

「ブラック・ウィドウ」11/6(金)公開 スカーレット・ヨハンソン主演

映画『ワンダーウーマン 1984』日本版予告 2020年12月25日(金) 全国ロードショー

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