The Sunとカリビアンモンスター

7月28日、ジョニー・デップ氏(57歳)の弁護士は、「妻を殴打する男」という記事を書いたThe Sunの主張は一方的かつ間違いだらけであり、調査等も一切行われなかったと語った。

デヴィッド・シャーボーン弁護士はロンドン高等法院に提出した資料について、「デップ氏の主張が正しいことを証明するあらゆる証拠が記されており、裁判官と陪審員の両方に大きな影響を与えるだろう」と述べた。

デップ氏は、元妻の「アンバー・ハード女史(34歳)を殴打する男」という記事を出したThe Sunおよび編集者などを名誉棄損で訴えている

7月27日、The Sunの弁護士は、デップ氏がハード女史を「段階的かつ体系的に虐待したことは疑いようのない事実」と記事の正当性を訴えている。

ロンドン王立裁判所(ロイヤル・コート・オブ・ジャスティス)前に集まったデップ氏の熱狂的な約30人のファンは、パイレーツ・オブ・カリビアンモンスターと批判されている男の「名誉棄損裁判最終日」に刮目。デップ氏が現れると割れんばかりの歓声を送った。

2018年4月27日、The Sunのウェブサイトに掲載された「J・K・ローリングを本当に幸せにできるか」の中で、デップ氏は妻の殴打者と書かれたことに憤慨。起訴に踏み切った。

なお、デップ氏は2016年にJ・K・ローリング女史原作の「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(原題:Fantastic Beasts and Where to Find Them)」に出演。本作は世界興行収入8億ドル超の大ヒットを記録した。

デップ氏は続編の「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald)」にも出演。その公開前にThe Sunは、デップ氏が再びJ・K・ローリング女史を幸せにできるか、と記事にしたのである。

シャーボーン弁護士はロンドン高等法院に対し、「デップ氏が元妻に暴力を振るったことはない。ハード女史はウソと偽りだらけの証言でデップ氏を追い詰めた。深刻な家庭内暴力など存在せず、彼女は誰にも叩きのめされていなかった」と述べた。

さらに、「ハード女史はでっち上げを積み重ね、デップ氏から慰謝料700万ドル(約7億4,000万円)を既に回収している。デップ氏はありもしないウソと偽りのせいで魔女裁判にかけられ、何もしていないのに有罪判決を受けたのだ」と付け加えた。

デップ氏とハード女史を巡る離婚裁判は2年前に決着済みである。女史は元夫を傷害罪で刑事告訴しなかった(できなかった)ものの、証言や暴力を示唆する写真などを大量に集め、映画公開前の元夫に圧力をかけた。

結果、社会の目を気にしたデップ氏は700万ドルの和解案に応じた、と言われている。

今回の名誉棄損裁判では、デップ氏の友人や関係者が多数証言(ビデオ証言あり)した。証言者たちは、カリビアンモンスターと揶揄された男が暴力を振るうなどあり得ないと証言。デップ氏も「完全に事実と異なる」と改めて強く反論した。

シャーボーン弁護士は、The Sunを擁護するハード女史に対し、「複雑な過去を持つ不安定な人間」と述べ、その証言を改めて偽りと否定した。

「彼女の証言は一貫性に欠ける。大きな点や小さな点、全てにおいてだ。ハード女史は信頼できる証人ではない。率直に言って、強迫的なウソつきである。証拠もないのに好き放題しゃべるハード女史は、息を吸うように嘘をつく」とシャーボーン弁護士は述べた。

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I travelled to the UK to testify in these proceedings as a witness to assist the Court. After obtaining a restraining order in 2016 and finalizing our divorce, I wanted to move on with my life. I did not file this lawsuit and, despite its significance, I would have preferred not to be in court. It has been incredibly painful to relive the break-up of my relationship, have my motives and my truth questioned, and the most traumatic details of my life with Johnny shared in court and broadcast around the world. I stand by my testimony in court and I now place my faith in British justice. Although I did not bring this lawsuit, I am aware of the precious resources being consumed by his litigation and will be glad to see those resources re-directed back to more important legal matters already delayed by the Covid-19 pandemic. I appreciate the dedication, hard work and support of the defense legal team, as well as my UK and US lawyers. I also wish to extend my thanks to the very kind and diligent court staff and the police, who have been so sensitive in ensuring my protection so that that I could testify in safety. And finally, my heartfelt thanks for the tremendous outpouring of support and the many messages I have received from around the world. You have given me so much strength and I send it back to you.

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記者団の取材に応じるハード女史

ウソつき呼ばわりされたハード女史

シャーボーン弁護士はさらに続けた。「彼女が頭の中で考えた7つの事件は、嘘と偽りに満ちている。ハード女史は本裁判でその7件に一切触れなかった」

ハード女史は、The Sunの主張する2つの暴力事件の疑いに頼っており、それ以外の主張については、発言に一貫性がないと批判されている。

現在、ハード女史は14の暴力事件で元夫に叩きのめされたと主張しているが、シャーボーン弁護士は「偽りだらけの恐ろしい主張」とこれを真っ向から否定している。

元夫婦の主張には食い違う点が多すぎるため、互いの言い分を好き勝手にぶつけ合う様は、小学生の喧嘩のように見えるとメディアに酷評された。

シャーボーン弁護士はロンドン高等法院に対し、「ハード女史の証言に矛盾があることは明らかである。彼女は証言をころころ変える。暴力を振るわれたというフィクションを書き、デップ氏は妻を叩き伏せる男だ、と世間に知らしめたいのかもしれないが、嘘はいずれに明らかになるだろう」と述べた。

公聴会終了後、ハード女史は記者団の前で声明を発表した。

「私が受けた酷い暴力行為と、私が述べた真実を疑問視する者たちがいることはよくわかっている。ジョニ―が私に仕向けた残酷かつトラウマになるような行為を法廷で共有することは、非常に苦痛だった。私は自分が受けた事実を証言した。英国が正義を下すと信じている」

7月27日、The Sunを発行するNGN(News Group Newspapers of News International)の法務チームは、自社の記事が真実であることを主張、最終意見陳述を行った。

NGNを代表するサーシャ・ワス氏は記者団に対し、「この事件の全ての証拠、暴力の裏付けになる証言などにより、デップ氏が定期的かつ組織的に元妻を虐待していたことは間違いない」と語った。

ワス氏はデップ氏のライフスタイルについて、「アルコールと薬物に依存し、人生、素晴らしいキャリア、そして健康を破壊している」と述べた。

さらに、「デップ氏は妻を保護したいと考えた。しかし、薬物とアルコールに溺れ、関りのない者たちを巻き込み、酷い被害妄想に陥った」と付け加えた。

デップ氏はハード女史が映画等で若い俳優たちと共演することを望まなかった、と言われている。結婚前から女優として活動してきた女史は、チャニング・テイタム氏やジェームズ・フランコ氏などと共演していた。

ワス氏はパイレーツ・オブ・カリビアンモンスターが薬物乱用の影響で、気分のムラと異常な行動に支配されたと主張。「デップ氏の不名誉な行為の記憶は、薬物乱用によって酷く損なわれており、自分がどれほど恐ろしいことをしたのか理解できなかった」

ロンドン高等法院裁判官のニコル氏は、評決は後日に保留されたと述べた。

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