11月2日、ジョニー・デップ氏(57歳)を「妻を殴打する男」と名付けたタブロイド紙The Sunの記事に対する名誉棄損訴裁判の判決が言い渡され、裁判官は原告の訴えを退けた。
ロンドン王立裁判所のアンドリュー・ニコル判事は、デップ氏に対するThe Sunの主張は「実質的に真実」であることが証明されたと語った。
デップ氏の弁護士、ジェニー・アフィア氏は声明の中で「上訴する」と述べた。
ジェニー・アフィア氏:
「ひねくれた判決に当惑している」
「判決には欠陥があり、デップ氏は上訴しないのはばかげていると言った」
一方、アンバー・ハード氏(34歳)の弁護士、エレイン・チャールソン・ブレデホフト氏は判決について、「特に驚くことではない」とコメントした。
The Sunのスポークスマンは判決について、「家庭内暴力の犠牲者のために立ち上がった結果」と述べ、ハード氏の「法廷に証拠を提供する勇気」に感謝した。
The Sunのスポークスマン:
「この判決は、報道の自由を認める見事な勝利である」
「ハード氏は全ての家庭内暴力被害者の安全と快適な生活を願い、一連の法廷プロセスで画期的な勝利を収めた」
妻を殴打する男
一連の裁判は7月に王立裁判所で16日間にわたって審理された。
The Sunは2018年4月の記事について裁判の中で、「デップ氏は元妻のハード氏を世界のあらゆる場所で14回攻撃した」と主張している。
ハード氏は家庭内暴力について、「デップ氏のアルコールおよび大量の薬物摂取が引き起こした」と述べ、元夫を「モンスター」と呼んだ。
ハード氏は2013年から2016年の間に、デップ氏から「平手打ちされ、押し込まれ、髪を引っ張られ、手榴弾のようにボトルを投げつけられた」と語った。
これに対しデップ氏は広範囲にわたる薬物問題を認めたものの、ハード氏の主張は虚偽と非難した。また、元パートナーのウィノナ・ライダーとヴァネッサ・パロディも王立裁判所に声明を提供、「彼は女性に対して暴力を振るう男ではない」と述べた。
ニコル判事は、The Sunとハード氏が主張した14回の暴力のうち12回を認め、「デップ氏の主張が誤っていることを認めるのに十分であった」と述べている。
また判事は、世界で最も人気のある俳優に対する申し立てが、「ハード氏の仕事に悪影響を与えた」という彼女の訴えも受け入れた。
アンドリュー・ニコル判事:
「2014年12月と2015年11月の暴力は提出された証拠では認められない」
「デップ氏は証拠を虚偽と主張し、ハード氏の保険契約と呼んだ。しかし私はこの主張を受け入れない」
7月の最終審理後、ハード氏は事件について「信じられないほど苦痛」「人生を歩み続けた」と述べている。
アンバー・ハード/ジョニー・デップとの別れの追体験について「信じられないほど痛い」
デップ氏とハード氏は2011年のコメディ映画「ラム・ダイアリー」のセットで出会い、2015年に結婚。その後、様々な疑惑やトラブルが浮上し、翌年に別居、2017年に離婚した。
家庭内暴力の被害者を支援するチャリティー・リフュージのリサ・キング氏はABCニュースの取材に対し、「この判決は非常に強力なメッセージを送り、家庭内暴力の全ての犠牲者に力を与えた」と述べた。
ハワード・ケネディのメディア弁護士、マーク・スティーブンス氏は、「ロンドンで敗訴した場合、アメリカで勝つ可能性はほとんどない。この決定はデップ氏にとって壊滅的なものだ」と語った。
マーク・スティーブンス氏:
「ジョニー・デップはこの判決を受け入れた場合にのみ、自分自身をリハビリできる」
デップ氏はワシントン・ポストの記事をめぐり、5,000万ドルでハード氏を訴えている。
この訴訟はバージニア州の裁判所で来年開廷する予定。
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