名誉棄損裁判の行方
イギリス、ロンドン王立裁判所(ロイヤル・コート・オブ・ジャスティス)は、11月2日にジョニー・デップ氏(57歳)を「妻を殴打する男」と名付けたタブロイド紙「The Sun」に対する名誉棄損の訴えを裁定する。
デップ氏の弁護士はThe Sunに対し、「俳優の評判を破壊し、キャリアに打撃を与える虚偽の記事」と主張している。
27日、イギリス司法局のアンドリュー・ニコル裁判官は、11月2日に書面で評決を下し、高等法院での公聴会は開かないと発表した。
デップ氏の薬物乱用、感情的な混乱、泥酔状態の戦いなどに関連するThe Sunの告発記事は波紋を広げ、7月の法廷闘争は世界の注目を集めた。
デップ氏と元妻のアンバー・ハード氏(34歳)はコメディ映画「ラムダイアリー」のセットで出会い、2015年にロサンゼルスで結婚。その後、様々な疑惑やトラブルが浮上し、翌年に別居、2017年に離婚した。
2018年4月、タブロイド紙The Sunの記者と編集長のダン・ウートン氏は記事の中で、「パイレーツ・オブ・カリビアンのスターは、妻を殴打する男」と主張、ハード氏への暴力を非難した。
2020年7月、高等法院に出廷したデップ氏は記事について、「記載された内容はデマ」「二人の関係を破綻させたのはハード氏の不安定な性格」と強く反論した。
デップ氏の弁護士を務めるデヴィッド・シャーボーン氏は最終弁論で、「彼は一度たりとも女性を殴ったことはない」と述べた。
これに対しハード氏の弁護士は、元夫がアルコールと麻薬の影響で暴力的になり、妻に暴力を振るったと主張。
証言台に立ったハード氏は、「2013年から2016年の間、ジョニーは私の顔を殴り、平手打ちし、髪を引っ張り、手榴弾のようにガラスのボトルを投げつけてきた」と証言。計14の暴力事件を生々しく語った。
アンバー・ハード氏:
「私は自分が受けたひどく暴力的な仕打ちを世間に暴露したいとは思わなかった」
「私は二人の間に起きた全てを話したいとは思わない。しかし、一連の暴行については証言せざるを得なかった」
The Sunの弁護士、サーシャ・ワス氏はハード氏の証言を要約し、「デップ氏が定期的かつ体系的に元妻を虐待したことは間違いない」と述べている。
これに対しデップ氏の弁護士は、ハード氏が証拠を偽造したと非難。彼女は信頼できない証人であり、「脅迫的な嘘つき」と切り捨てた。
高等法院がどのように裁定したとしても、ふたりのドラマが終結する可能性は極めて低い。
デップ氏はハード氏への家庭内暴力をまとめたワシントン・ポストの記事をめぐり、5,000万ドルでハード氏を訴えている。
この訴訟はバージニア州の裁判所で来年開廷する予定。
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