コロナウィルスの登場により、ウイルス関連映画が注目を集めている
コロナウイルスの登場により、過去に公開されたウィルス関連映画(パンデミック系、ゾンビ系など)が注目を集めている。
その中でも特に高い人気を誇る作品が、スティーヴン・ソダーバーグ監督の「コンテイジョン(原題:Contagion)」であろう。出演はケイト・ウィンスレット、グウィネス・パルトロウ、マリオン・コティヤール、ジュード・ロウなど。ウイルスが蔓延するまでの過程とその後を描いたパンデミック映画である。
映画を見ることによって、コロナウイルスでも同じような状況に発展しうるのではないか、と多くの視聴者が感じているようだ。また、コロンビア大学の医療専門家の助言を受け製作されたことも、人気の急上昇に影響を与えている。
ホラージャンルに分類される映画も、コロナウイルス発生以降、視聴数(ストリーミング)を伸ばしている。その中でも、モンスター系の「狼男関連作品」「ドラキュラ関連作品」が人気を集めているという。これらは、「噛まれる」ことで感染する「伝染病」をイメージさせる。
ダニー・ボイル監督の「28日後(原題:28 Days Later)」、ブラッド・ピットが主演した「ワールド・ウォーZ(原題:World War Z)」も、視聴者に新しい方法のコロナウイルス対策を提供するかもしれない。両作は、ウィルスに感染したゾンビとの戦いを描いた終末系映画である。
かつては「ゾンビ=墓地」というイメージだったが、これらの作品は謎のウイルスに感染することで人間がゾンビに変異、地球規模の戦いに発展、というシナリオを採用している。映画の内容全てをコロナウイルスとの戦いに当てはめることはできないが、都市封鎖の重要性、感染拡大を防ぐ手段、そして、国民の意識を改めさせるうえで良い影響を与えるかもしれない。
ウィル・スミス主演の「アイ・アム・レジェンド(原題:I Am Legend)」も、ウイルスと人類の戦いを描いた作品である。2007年に公開され大ヒットし、13年経った今でも視聴者を楽しませている。主人公は数十億人を殺した謎のウイルスに適合し生き残った。ウィルスが蔓延する過程は描かれていないが、生き残った者の苦悩、そして、ウイルスに対して人間が無力であることを痛感させられるだろう。
これらの作品は、ウイルスが人類の脅威であること、また、ウイルスが社会システムをコナゴナに破壊しうることを警告している。ゾンビは極端過ぎるかもしれないが、絶対にあり得ないと断言することはできない(もちろん現実になってほしくないが)。過剰な防衛/防御態勢(侵入者の排除など)をとる事態は避けねばならないが、コロナウイルスの危険性を再認識する上で少しでも役に立てば、ハリウッドも大喜びであろう。