◎ジョニーは元妻への暴力を否定しており、暴力を日常的に振るったのはアンバーと主張している。
2022年5月4日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、女優のアンバー・ハード(Elizabeth Frantz/Pool/AP通信)

女優のアンバー・ハードは4日、ジョニー・デップが起こした5000万ドル(約63億円)の名誉毀損裁判の中で、「ジョニーに初めて殴られた時、別れるべきだと分かっていたが、できなかった」と証言した。

ジョニーはワシントン・ポスト紙が2018年に掲載した記事の中で、アンバーが「家庭内暴力を(受けた女性を)代表する公人になった」と主張したことに憤慨し、5000万ドルの訴訟を起こした。

アンバーは記事の中でジョニーの名前には触れていないが、ジョニーは記事のせいで名誉、名声、ファン、大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」フランチャイズ、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズを失ったと主張している。

今回の裁判で初めて証言台に立ったアンバーは、「彼を許すわけにはいかないと思ったの。だってまた同じことが起こるでしょ」と涙ながらに陪審員に語った。「胸が張り裂けそうでした」

アンバーによると、ジョニーに初めて平手打ちされた時、すぐその場を離れたが、数日後、ジョニーが彼女の好きなワインを数ケース持って謝罪したため、二度と暴力は振るわないと約束を交わしたうえで許したという。

アンバーは陪審員に「私は彼を信じたかったので、信じることにしました」と語った。

ジョニーは今回の裁判で、自分の名誉と評判が2018年の記事で傷つけられたと証明する必要がある。一方、アンバー側はジョニーの人気が落ちたのは記事ではなく過去の振る舞いや暴力と主張している。

アンバーはジョニーに性的暴行を受けた時の状況を説明した。ジョニーは元妻に暴力を振るったことは一度もないと主張している。

アンバーによると、二人は友人数人と2013年5月にカリフォルニア州ジョシュア・ツリー国立公園のヒックスヴィル・トレーラー・パレスに遊びに行ったという。

ジョニーはバイセクシャルを公言しているアンバーが友人の女性と仲良くしているところを見て腹を立てた。

アンバーによると、ジョニーはトレーラーハウスに戻ると、公園内で取ったキノコをゴミ箱に投げ捨て、アンバーに「麻薬を隠しているだろ!」と迫ったという。「ジョニーは私のドレスを破り、ひどくなじりました...」

「ジョニーは私に体腔検査をすると言ったんです。彼は自分の指を私の中に押し込みました。私はただそこに立って、ライトを見つめていました...」

2022年5月4日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、俳優のジョニー・デップ(Elizabeth Frantz/Pool/AP通信)

アンバーはジョニーと出会い、恋に落ちた時のことも説明した。

二人は2011年に公開されたコメディ映画「ラム・ダイアリー」で共演し、結婚した。

「ジョニーは22歳の年齢差があったにもかかわらず、私のためにしっかり役作りし、撮影でも気を利かせてくれました。私は会ってすぐ、つながりができたと感じました」

「私は無名の俳優で、何も知らない22歳だったわ。彼はおじさんでした。彼は世界的に有名な俳優で、私たちよくわからない本やブルースのことで意気投合したの」

36歳のアンバーは陪審員に熱っぽく語った。

二人はラム・ダイアリーで相思相愛になったが、付き合い始めたのは撮影中ではなく、映画公開のプレスツアーが始まった頃だという。

「私たちは普通の生活をしていなかったんです。私たちは秘密の泡の中にいました...」

アンバーは最初の暴力についても証言した。

アンバーは2013年、ジョニーのタトゥーのひとつを見て、何と書いてあるか読めないと指摘した。ジョニーは女優のウィノナ・ライダーと交際していたときに入れたタトゥー「Winona Forever」に手を加えて、「Wino Forever」にしたと先月の審理で証言している。

アンバーはジョニーの説明に爆笑し、平手打ちされたと証言した。「ジョニーに叩かれても私は笑ってしまいました。その後、彼は私を2回平手打ちし、3日目で吹き飛びました」

ジョニーは先月、タトゥーを馬鹿にし殴られたというアンバーの主張について、「自分の体のタトゥーをバカにされたくらいで、なぜそんなに腹を立てるのですか?彼女の主張は理解できません」と証言していた。

ジョニーはアンバーの証言中、テーブルをじっと見つめていた。

アンバーはここ数日のうっぷんを晴らすかのように証言した。

「ジョニーは嫉妬・薬物・アルコールを組み合わせることで暴力的なエピソードを引き起こしました。アヘンのジョニーは、アデロールやコカインのジョニーとは非常に異なり、クアールードのジョニーとも非常に異なるけど、私は彼の異なるバージョンに注意を払うことに長けていなければならなかったわ」

ジョニーは薬物接種を認めているが、酒の勢いで暴力を振るったことはないと証言している。また薬物問題については克服したと主張している。

ジョニーの家族、友人、関係者もジョニーがアルコールに依存していたというアンバーの主張を否定している。

アンバーはアルコールが問題の大部分を占めていると証言した。「ジョニーの周りにいる人たちは彼に魅了され、彼の悪いところや行いから目を背けています」

「誰も彼に言わなかった。誰も彼に正直に言わなかった。彼は自分の吐いたもの(吐しゃ物)で気を失い、自分の体をコントロールできなくなり、みんなが彼の後始末をしました。私も彼の後始末をしました」

裁判は4週目に入り、アンバーはさらに興味深い証言をすると期待されている。米主要メディアは、「なぜアンバーは虐待されたにもかかわらずジョニーとの関係を維持したのか」と疑問を呈している。

アンバーは5日の審理で同様の質問を受け、次のように答えた。

「あんなに愛を感じたことはなかった。でも、彼には別の顔があった。それは本当にひどいものでした」

2022年5月4日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、女優のアンバー・ハード(Elizabeth Frantz/Pool/AP通信)
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