◎ジョニーは元妻への暴力を否定しており、暴力を日常的に振るったのはアンバーと主張している。
女優のアンバー・ハードの弁護団は3日、ジョニー・デップが起こした5000万ドル(約63億円)の名誉毀損裁判の中で、「アンバーは元夫に性的暴行を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいる」と証言した。
アンバー側の証人である心理学者のヒューズ氏は、「デップさんは彼女にオーラルセックスを強要し、酒瓶で貫いたこともある」と証言した。
ヒューズ氏の証言はジョニーが雇った心理学者の主張と矛盾している。ジョニー側は、「アンバーのPTSD発症はウソであり、彼女は人格障害者である」と異議を唱えた。
ヒューズ氏はアンバー側の最初の証人である。
ジョニーはワシントン・ポスト紙が2018年に掲載した記事の中で、アンバーが「家庭内暴力を(受けた女性を)代表する公人になった」と主張したことに憤慨し、5000万ドルの訴訟を起こした。
アンバーは記事の中でジョニーの名前には触れていないが、ジョニーは記事のせいで名誉、名声、ファン、そして大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」フランチャイズを失ったと主張している。
ヒューズ氏は、ジョニーがアンバーに行った謝罪と告白、ジョニーが深酒した際に友人に送信したテキストメッセージなど、性的虐待を裏付ける証拠が多数あると証言した。
ジョニーは元妻への暴力を否定しており、暴力を日常的に振るったのはアンバーと主張している。
ヒューズ氏は証言の中で、アンバーがジョニーを突き飛ばしたり、名前を呼び捨てにしたり、ジョニーの子育てを馬鹿にしたことがあったと認めた。
しかし、ヒューズ氏は、「デップさんの暴力は彼女を脅かしたが、彼女の暴力はデップさんに同じ効果をもたらさなかった」と主張した。「要は力の問題です。彼女はデップさんを突き飛ばしました。デップさんは酒瓶で彼女を貫きました」
ヒューズ氏によると、アンバーの暴力の多くはジョニーの脅迫的な嫉妬から生じたものだという。ジョニーはアンバーにヌードシーンを避けるよう命じ、俳優のビリー・ボブ・ソーントンやジェームズ・フランコとの不倫疑惑を非難した。
「デップさんは彼女が出演する映画の監督や関係者に電話をかけ、彼女が不適切な交際をすればすぐ報告するよう頼んでいました」
またヒューズ氏によると、ジョニーはバイセクシャルであることを公言しているアンバーが女性と触れ合っていたところを見て腹を立て、怒りに任せて殴りつけたことがあったという。
ヒューズ氏の証言を聞いたアンバーは涙を浮かべ、唇と顎を時折震わせていた。
ヒューズ氏は29時間に及ぶアンバーとの面談、セラピストとの面談、裁判資料に基づいて証言を行ったと陪審人に説明した。
一方、ジョニーの弁護団はアンバー側の証言が虚偽であることを証明する証拠を持っていると主張した。
弁護士のチュー氏は、「ハードさんは虐待者です」と陪審員に訴えた。
これに対しアンバーの弁護士であるロッテンボーン氏は、「この3週間の証言で、ハードさんの主張が真実であることは明らかである」と反論した。
ジョニーは昨年、アンバーの告発記事を掲載したタブロイド紙The Sunをめぐる一連の裁判で敗訴し、パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズを失い、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズから降板させられた。
アンバーは審理の中で、「ジョニーから平手打ちされ、押し込まれ、髪を引っ張られ、手榴弾のようにボトルを投げつけられた」と主張したが、ジョニーは元妻を「脅迫的な嘘つき」と非難した。
ヒューズ氏は4日に反対尋問を受ける。アンバーも証言台に立つ予定。