◎カニエ・ウェスト(本名イェ)さんは反ユダヤ主義的なSNS投稿を含むいくつかの問題で批判を浴びている。
フランスの人気ブランド「バレンシアガ(Balenciaga)」が米国の人気ラッパー、カニエ・ウェスト(本名イェ)さんとの契約を打ち切った。
業界紙ウィメンズ・ウェア・デイリーは21日、バレンシアガの親会社であるケリング(Kering)の声明を引用し、「バレンシアガはこのアーティストと一切関与しません」と報じた。
ケリングは契約を打ち切った理由を明らかにしていない。
イェさんは反ユダヤ主義的なSNS投稿を含むいくつかの問題で批判を浴びている。
AP通信などによると、ケリングは取材に応じなかったという。イェさんの代理人も契約解除に関するコメントを発表していない。
イェさんはバレンシアガのアーティスティック・ディレクターといくつかの分野でコラボしていた。
またバレンシアガはイェさんの元妻であるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんとも良好な関係を構築している。カーダシアンさんはバレンシアガの広告に何度か登場している。
イェさんは最近、反ユダヤ主義的な投稿がSNSポリシーに違反しているとし、ツイッターとインスタアカウントをロックされた。
またイェさんは「奴隷制度は選択である」と主張し、コロナワクチンを「獣の印」と呼んだことでも話題を集めた。
ツイッターとインスタから叱責されたイェさんは右翼に人気のSNSプラットフォーム「パーラー」の買収を目指している。
イェさんは今年のパリファッションウィーク中に開かれたバレンシアガのショーでモデルを務めている。デザイナーはイェさんを「象徴」と絶賛した。
そのショーの翌週、イェさんは同じくパリで行われたイージー(Yeezy)のショーで「ホワイト・ライブズ・マター(White Lives Matter)」と書かれたTシャツを着用し、関係者の度肝を抜いた。
反ユダヤ主義を監視する人権団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」によると、このフレーズは2015年に白人至上主義者(ネオナチとみられる)が使い始めたという。
イェさんはブルームバーグのインタビューで「GAPおよびイージーとの契約を解消し、その他の取引先との関係も断つ」と語っている。
アディダスもイェさんとのスニーカー契約を解除し、米金融大手JPモルガン・チェースはイェさんとのビジネス関係を断った。なお、JPモルガンとイェさんとの関係は反ユダヤ発言の前から悪化していた。