◎ボールドウィンさんは今年1月に過失致死の罪で起訴された。
米国の俳優アレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)さんの弁護士は20日、主演映画の撮影中に発生した銃の誤射事件について、地検がボールドウィンさんに対する刑事告訴を取り下げる方針であると明らかにした。
ボールドウィンさんは2021年10月、西部劇「ラスト(原題:Rust)」の撮影中に小道具の銃を誤射した。この事故で撮影監督のハッチンス(Halyna Hutchins)さんが死亡、ボールドウィンさんは今年1月に過失致死の罪で起訴された。
予備審問は5月3日に予定されていた。
ボールドウィンさんの弁護士はAP通信の取材に足し、「我々は地検の決定に満足しており、この悲劇的な事故の真実が明らかになることを期待する」と語った。
ボールドウィンさんはニューメキシコ州サンタフェのセットで銃を撃つシーンの練習をしていたところ、実弾が発射され、ハッチンスさんと監督が被弾した。
ボールドウィンさんはABCニュースのインタビューで引き金を引いたことを否定。小道具に実弾が装填されていることを認識せず、「映画の小道具に実弾が装填されていると信じる俳優はひとりもいない」と主張していた。
ラストの小道具担当者も過失致死罪で起訴されている。
サンタフェ地検はボールドウィンさんが安全確認を怠ったと主張していた。
ボールドウィンさんの弁護士は以前、訴追を「とんでもない間違い」と呼び、地検を批判していた。「ボールドウィンさんが小道具の中に実弾が含まれると知っているわけもなく、信じる理由もありません...」
また弁護士は「ボールドウィンさんは現場の専門家を信頼し、その専門家は小道具の銃に実弾は入っていないと断言していた」と述べていた。
ハリウッド映画で本物の銃が使われることは珍しくないが、実弾を使用することはない。地検はボールドウィンさんがハッチンスさんの死に「意図せず加担」したことを証明しようとしていた。
有罪になった場合、ボールドウィンさんは18ヶ月以下の禁固刑に処される可能性があった。