◎多くのアフリカ諸国がエルニーニョ現象による雨不足と高温に直面。食料の確保が困難になっている。
2024年2月22日/ザンビア、飲み水を集める女性(Getty Images)

アフリカ南部・ザンビアのヒチレマ(Hakainde Hichilema)大統領は29日、前例のない深刻な水不足が発生しているとして、干ばつ非常事態を宣言した。

ヒチレマ氏は国民に向けた演説の中で、関係当局に対し、食料生産に全力を注ぐよう命じたと明らかにした。

多くのアフリカ諸国がエルニーニョ現象による雨不足と高温に直面。食料の確保が困難になっている。

ヒチレマ氏によると、国内116地区のうち84地区が干ばつに見舞われている。

当局はが比較的余裕のある地区から食料を回収し、困窮している地区に回すとしている。

さらに中央政府は食料の輸入を増やす計画で、国連や地元企業と連携して対応に当たる。

ヒチレマ氏は「主食であるトウモロコシの作付面積220万ヘクタールのうち、約100万ヘクタールが干ばつにより破壊された」と述べた。

またヒチレマ氏は「この干ばつは安全保障、農業、エネルギーなど多くの分野に壊滅的な影響を与え、数百万人の生活を脅かしている」と強調した。

干ばつは3月に入っても続く見通し。100万世帯以上の農家が影響を受けている。

地元メディアによると、ザンビアとジンバブエの国境にあるカリバダムの水位も低下し続けているという。このダム建設によって誕生したカリバ湖は世界最大の人造湖である。

ザンビア政府はこれに対処するため、他国から電力を輸入する準備を進めている。

ザンビアは現在、コレラの大流行にも見舞われており、今年の感染者数は1万人を超え、400人以上が死亡している。

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