◎180ヵ国の気候活動家が参加する今回のサミットは、10月31日に開幕するCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)に勧告を送る予定である。
9月28日、イタリアのミラノでユース気候サミット(Youth4Climate:期間9月28日~30日)が開幕し、若き気候活動家たちが地球の気候変動に懸念を表明した。
180ヵ国の気候活動家が参加する今回のサミットは、10月31日に開幕するCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)に勧告を送る予定である。
ウガンダの気候活動家であるヴァネッサ・ナカテ氏とスウェーデンのグレタ・トゥーンベリ氏は、貧しい国々を助けるために資金を提供するという約束を果たさなかった世界の主要な指導者を非難した。
トゥーンベリ氏は演説の中で、「世界の主要な指導者たちは若者の訴えを聞いているふりをしている」と主張した。「しかし、現実を見てください。彼らは私たちの話を聞いていません。温室効果ガスの排出量は増えています。科学はウソをつきません...」
トゥーンベリ氏は行動を起こさなければ何も変わらないと活動家たちに訴えた。
ナカテ氏は世界中で確認されている山火事やドイツを含む主要都市で大洪水が発生したにもかかわらず、指導者たちは気候変動の影響を強く受ける貧しい国々のために年間1,000億ユーロ(約13兆円)を拠出するという公約を守っていないと述べた。
ナカテ氏は世界の指導者に行動を起こし、同時に約束を守るよう呼びかけた。
11月のCOP26は温室効果ガスの主要排出国である中国とアメリカが新たな気候変動政策を発表したことで、大きな成果を上げると期待されている。
ジョー・バイデン大統領は国連総会で、貧しい国々に対するグリーンエネルギー分野の投資を倍増し、中国の習近平 国家主席は海外の石炭火力発電事業への資金提供を停止すると発表した。
さらに、トルコはパリ協定を遵守すると約束し、南アフリカはより野心的な温室効果ガスの排出目標を設定した。
しかしナカテ氏は、ウガンダを含むアフリカ大陸の貧しい国々の気候危機を緩和するためには、より強力な措置が必要と強調した。「アフリカ大陸は南極を除くすべての大陸の中で最もCO2の排出量が少ないにもかかわらず、気候変動の影響を最も強く受けています」
ナカテ氏は演説の中で、先週ウガンダの首都カンパラで発生した大雨災害の犠牲者を見たと述べ、涙を流した。
一方、ナカテ氏の後に演説したフライデー・フォー・フューチャー運動のアイルランド人活動家、サオイ・オコナー氏によると、今回のサミットの参加者は政府によって調整され、COP26に提出する勧告文書案は当局者のチェックを受けたという。
オコナー氏は、「COP26への勧告は私たちが望んでいるような内容にはなっていない」と不満を口にした。
しかし、このサミットを主催するイタリアのロベルト・シンゴラニ生態学的移行大臣はAP通信の取材に対し、「世界の指導者たちは正しい方向に進んでいる」と述べた。「中国とアメリカは大きな目標を発表し、他国もそれに続いています...」
シンゴラニ大臣は貧しい国々への資金提供を含む多くの約束が破られたことを認め、批判に同意したが、指導者たちは緊急事態であることを認識し、必要な対策を講じようとしていると主張した。「世界が動き始めていることは間違いありません。私たちはもっと一生懸命働く必要があります」
オックスフォード大学で環境変化と管理の修士号を取得したウガンダのローズ・コブシンゲ氏は、「世界の指導者たちは信頼を維持するために、COP26で具体的な行動を起こす必要がある」と述べ、ユース気候サミットは勧告を送るだけでなく青少年代表としてCOP26に参加すべきと主張した。
「指導者たちはCOP26でより具体的な政策をまとめ、行動に移してください。政策を発表しても行動に移さなければ意味がありません。話し合って終わりでは事態は悪化するばかりです。行動してください」