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アルゼンチン南部で山火事延焼中、1万2000ヘクタール焼失

消防当局によると、この火災は南部チュブト州のアンデス山麓で1週間前に発生し、この地域に大きな被害を与えている。
2026年1月11日/アルゼンチン南部、山火事が発生した現場(AP通信)

アルゼンチン南部パタゴニア地方で今月初めに発生した山火事が延焼を続け、11日時点で約1万2000ヘクタール(東京ドーム2500個分)が焼失し、地域住民やインフラに深刻な影響を与えている。消防当局によると、この火災は南部チュブト州のアンデス山麓で1週間前に発生し、この地域に大きな被害を与えている。火災は周辺のコミュニティに拡大しつつあり、発電所や学校が危険にさらされているという。

出火原因はまだ特定されていないが、州知事は11日の記者会見で、「最も激しく燃えている山火事の一つが放火の可能性がある」との見方を示し、犯人特定につながる情報提供に対して5000万ペソ(約539万円)の懸賞金を提示した。州知事は「火を起こした者たちは刑務所に入ることになる」と述べ、放火の疑いを強調した。

エル・オヨ地域で消火活動に当たる消防士はAP通信の取材に対し、「すべてが燃えていくのを目にするのは悲しい。できる限りのことをしても十分ではない時がある。本当にひどいことになっている」と述べ、消火作業の過酷さを語った。

消防活動には300人余りの消防士が動員され、15機の航空消火機材や消防車、軍も投入されている。また、チリ政府はソーシャルメディアを通じて、アルゼンチン政府への支援を申し出た。

この山火事は昨年の記録的な大規模火災の記憶を呼び起こしている。2025年初頭にはパタゴニア地方で数万ヘクタールが焼失し、数十軒の住宅が全焼、1人が死亡するなど甚大な被害が発生していた。このため、地元住民には火災への不安が強く残っている。

南半球の山火事は通常、高温・強風・干ばつが重なる夏季(12月~3月)に発生しやすく、今年も同様の気象条件が消火を困難にしている。乾燥と強風は火勢を助長し、大量の煙が視界を遮るなど現場での活動を難しくしている。

さらに、政府によると、チュブト州以外の州でも山火事が発生中。少なくとも他の2州が延焼を抑えたと報告しているものの、依然として非常事態宣言が続いている。

火災は地域の農地や市民生活にも影響を及ぼしており、広範囲の避難や農家の損失、停電などの二次被害が懸念されている。地元自治体や支援団体は、住民への避難勧告や支援物資の手配、人員と機材のさらなる投入を進めながら、消火作業と被害の把握に全力を尽くしている。

当局は火災の原因究明と被災地域の復旧支援を進める方針で、国際的な協力や気象予報を踏まえた予防策の強化も求められている。

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