◎オレゴン州のブートレッグ火災の燃焼面積は30万エーカー(約1,214㎢:東京23区の2倍)を超えた。
米国西部の猛烈な熱波がもたらした大規模な山火事は延焼し続けており、オレゴン州のブートレッグ火災の燃焼面積は30万エーカー(約1,214㎢:東京23区の2倍)を超えた。
オレゴン州南部で発生したブートレッグ火災の現場には消防士2,000人以上が派遣されている。隊員たちは険しい山を進み、木を切り、消火剤を撒くことで炎の侵攻を食い止めようとしているが、勢いは衰える気配を見せていない。
南西部の12州で発生した山火事は80カ所を超えており、各州政府は少なくとも数千人に避難を呼びかけている。
ブートレッグ火災は主に農村地域に影響を与え、これまでに少なくとも2,000戸の住民が避難し、さらに5,000戸が炎の侵攻に脅かされている。AP通信によると、少なくとも民家70棟とその他の建造物が100棟以上焼失したという。
オレゴン州当局は19日の声明で、ブートレッグ火災の推定25%を抑え込んだと述べたが、乾燥と強風の影響で炎の勢いは増す可能性があると警告した。
消防当局のジョン・フラニガン氏はABCニュースのインタビューの中で、「天候は私たちの邪魔をしたいようです」と述べた。「これからさらに気温は上昇し、乾燥し、風は強まり、各地で落雷が発生するでしょう...」
国立気象局によると、今週の西部の天候は炎の勢いを加速させる可能性が高いという。気温は例年より10~15℃高くなると予想されており、雨は期待できない。
これらの山火事は通常、晩秋または初冬まで燃え続ける。オレゴン州で発生した近代史上最大の単体の山火事は2012年に南東部を燃やしたロングドロー火災で、国有林約2,260㎢(東京都とほぼ同じ)が消し炭になった。
National Interagency Fire Centerによると、最も深刻な影響を受けている地域は主に西部の州で、2021年の全国の燃焼面積は4,800㎢(和歌山県とほぼ同じ)を超えたという。
全国で確認された山火事は2021年7月時点で4,000カ所を超えており、昨年同期のほぼ2倍に増加した。カリフォルニア州の7月時点の燃焼面積は昨年同期のほぼ5倍に達した。
一方、隣国カナダでも各地で山火事が発生し、省庁間森林消防センターは「先週1週間で150を超える新しい火災を確認した」と述べた。
昨年西部で発生した大規模な山火事の燃焼面積は約41,000㎢(北海道の2分の1)と推定され、40人以上が死亡し、13,000以上の建造物が灰になり、被害額は2兆円以上に上った。
産業革命以来、地球の平均気温は約1.2℃上昇しており、温室効果ガスの排出量トップの中国とアメリカを含む世界各国が排出量を大幅に削減しない限り、気温は上昇し続けると考えられている。