◎ドイツ西部の死亡者数は100人を超えた。ベルギー東部では少なくとも20人が死亡し、オランダ、ルクセンブルグ、スイスの一部地域も被害を受けた。
7月15日に西ヨーロッパの広い範囲で発生した洪水の被害はさらに拡大し、これまでに少なくとも125人の死亡が確認され、数百人の安否が分かっていない。
ドイツ西部の死亡者数は100人を超えた。ベルギー東部では少なくとも20人が死亡し、オランダ、ルクセンブルグ、スイスの一部地域も被害を受けた。
当局によると、ドイツ西部ラインラント・プファルツ州の町ジンツィッヒでは、近くを流れるアー川が氾濫し、介護施設の入居者12人を含む63人が死亡したという。
同じく西部のノルトラインヴェストファーレン州当局は16日、これまでに43人の死亡を確認したと明らかにしたが、数十人と連絡が取れておらず、犠牲者はさらに増える可能性があると述べた。
ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイアー大統領は16日の声明で、危機に直面している全ての人々に支援を提供すると約束した。「ドイツ国民は被災地に横に立っています。全ての犠牲者と被害者のために団結することが重要です」
ドイツ西部ケルンの南西に位置する町エアフトシュタットのブレッセム地区では、地面が数百メートルにわたって大きく崩れた。現地の様子を上空から撮影した当局のフランク・ロック氏は放送局n-tvに対し、「エアフトシュタットでは少なくとも50人が救助された」と語った。
ドイツ政府によると、救助活動を支援するために軍、警察、消防当局の関係者約15,000人が現地に派遣されたという。
ドイツ西部アールヴァイラー郡の当局者は地元メディアに対し、「集落全体が破壊され、約1,300人と連絡が取れていない」と述べた。
ベルギー東部リエージュ州のベルビエで発生した洪水の様子はソーシャルメディアで共有された。政府は略奪が発生する可能性があるとして、住民に夜間の外出を控えるよう命じた。
オランダでは死傷者は報告されていないが、南東部を流れるムーズ川沿いの町や村の住民数千人に避難指示が出ており、一部地域は浸水被害に遭ったと伝えられている。マルク・ルッテ首相は16日、洪水被害に遭った地域を被災地に認定すると述べ、住民と企業を補償の対象にしたと明らかにした。
地元メディアによると、スイスの首都ベルンを流れるアーレ川では堤防の一部が崩壊し、一部地域が泥に覆われたという。
ドイツの次期首相候補、ノルトライン・ヴェストファーレン州のアルミン・ラシェット州知事は16日の記者会見で、「多くの住民が自宅、農場、そして事業を失った」と述べ、被災地への財政支援を約束した。
イタリア政府は救助活動を支援するために、市の当局者、消防士、救助活動用の様々な物資をベルギーに送っている。