◎7月15日にドイツやベルギーなどで発生した大規模な洪水の死亡者数は160人を超え、数百人と連絡が取れない状態が続いている。
西ヨーロッパの現地メディアによると、7月15日にドイツやベルギーなどで発生した大規模な洪水の死亡者数は160人を超え、数百人と連絡が取れない状態が続いているという。
ドイツ西部ラインラントプファルツ州の死亡者数は98人に増加した。隣のノルトラインヴェストファーレン州では43人の死亡が確認された。ベルギーの国家危機センターは、17日時点で27人の死亡を確認したと発表した。
洪水の発生時刻は地域によって異なるが、おおむね14日午後から15日午前の間に発生したと伝えられている。
ドイツ当局は洪水発生直後、多くの住民と連絡が取れないと発表した。現地メディアによると、被災地では豪雨と洪水の影響で通信状態が悪化し、電話もつながりにくい状態が続いているという。
ベルギーの国家危機センターは17日時点で103人の安否を確認できていないと発表した。ただし当局者は、「行方不明者の中には、携帯電話の紛失や通信状態の悪化などの影響で家族と連絡が取れない人が複数いると予想している」と述べ、情報収集を継続すると付け加えた。
被害の全容はまだ明らかになっていないが、水の引いた地域では救助と復旧作業が始まっている。
ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイアー大統領は西部の町エアフトシュタットを視察し、支援を継続すると約束した。
次期首相候補のノルトライン・ヴェストファーレン州のアルミン・ラシェット州知事もエアフトシュタットを訪れ、影響を受けた全ての住民に支援を提供すると述べた。またラシェット州知事は、「連邦政府と自治体は今後数日以内に被災地の再建に向けた取り組みについて話し合う」と明らかにした。
ベルギー東部ペパンステでカフェを営むオーナーは地元メディアの取材に対し、「荒廃した町を直視できない」と述べ、涙を流した。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長とベルギーのアレクサンダー・デ・クルー首相は17日にペパンステを含む被災地を視察し、あらゆる支援を提供すると誓った。
ベルギー東部リエージュ市に派遣されたフランス、イタリア、オーストリアの部隊は、住民の避難や救助活動を支援した。
オランダ南部の一部地域でも堤防の決壊による大規模な洪水が発生し、数千人が避難を余儀なくされたが、政府は16日に避難指示を解除した。
スイスでは首都ベルンで堤防の決壊による洪水が発生したが、17日時点で死傷者は報告されていない。