◎西アフリカ諸国は今年初め、前例のない猛烈な熱波に見舞われ、熱中症などにより数百人が死亡した。
中央アフリカ共和国の児童(Getty Images)

国連児童基金(ユニセフ)は14日、西アフリカと中央アフリカ地域が猛暑にさらされ、多くの子供の命と健康が脅かされていると警告した。

ユニセフが14日に公表したレポートによると、この地域における極端な熱波の頻度は1960年代に比べるとおよそ4倍に増加しているという。

西アフリカ諸国は今年初め、前例のない猛烈な熱波に見舞われ、熱中症などにより数百人が死亡した。

西アフリカ・マリのある病院は4月初めのわずか4日間で102人が死亡したと報告。同国の軍事政権はデータを公表していないため、うち何人が熱波によるものかは不明だ。

ユニセフによると、熱波は死産、低出生体重児、早産のリスクを高め、妊婦と子供の命に深刻な影響を与えているという。

ユニセフの気候専門家であるクナウテ(David Knaute)氏はAP通信の取材に対し、「子供たちは猛暑にさらされることで慢性疾患を発症しやすくなり、さらにマラリアやデング熱のような高温で蔓延する感染症にも罹患しやすくなる」と語った。

中央アフリカのコンゴ民主共和国では現在、子供に不釣り合いな感染症であるM痘(エムポックス)が大流行している。

アフリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、コンゴのM痘患者の70%近くが15歳以下の子供。死者の約85%を占めているという。

世界保健機関(WHO)は14日、コンゴなどでM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

ユニセフはレポートの中で各国政府に対し、気温上昇を抑制し、子供たちを守るために二酸化炭素排出量を削減するよう求めた。

アフリカ大陸の温室効果ガス排出量は世界全体の4%程度である一方、その影響を最も強く受け、近年、干ばつや大洪水、記録的な熱波などに見舞われている。

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