◎被害の全容は明らかになっていない。
台風11号(ヤギ)の暴風府に見舞われたベトナムで9~10日にかけて大雨が続き、北部の省で被害が拡大。国営メディアは11日、これまでに155人が死亡し、数百人が負傷、少なくとも141人が行方不明になっていると報じた。
北部ラオカイ省では鉄砲水が集落全体を押し流し、少なくとも30人が死亡、60人以上が行方不明になっている。
国営VTV(ベトナムテレビジョン)によると、10日、ラオカイ省郊外の集落に土砂を含む濁流が流れ込み、35世帯が押し流されたという。
これまでに無事が確認されているのは12世帯のみ。救助隊は30人の遺体を収容し、65人の捜索を続けている。
VTVは当局者の話しとして、「死者の多くは洪水と土砂崩れによるもので、その多くは中国と国境を接するラオカイ省で発生している」と報じた。
VTVによると、同省の多くの道路が土砂崩れと冠水によって封鎖されている。
首都ハノイでも倒木や冠水による被害が拡大。同国の主要産業である観光業が打撃を受けている。
山間部の北部カオバン省では9日、20人を乗せたバスが増水した川に流された。
北部フート省では川に架かる鉄橋が9日朝に崩壊。報道によると、少なくとも10台の車とトラック、2台のバイクが川に転落し、捜索作業が続けられている。
被害の全容は明らかになっていないが、VTVは専門家の話しとして、「被害総額は数十億ドルにのぼる可能性がある」と伝えている。
台風11号は7日午後に北部クアンニン省に上陸。この地域で風速40メートルを記録した。
11号は8日午後に熱帯低気圧に変わったものの、その後も北部の広い範囲に大雨をもたらしている。