◎土砂崩れは首都カラカスの南西約50kmの地点に位置するラステヘリアスの住宅地で9日に発生した。
ベネズエラ当局は11日、北部アラグア州ラステヘリアスで発生した土砂災害について、これまでに43人の死亡を確認したと発表した。
土砂崩れは首都カラカスの南西約50kmの地点に位置するラステヘリアスの住宅地で9日に発生した。
当局によると、最も大きな被害を受けた地域から2kmほど離れた下流域でも遺体が発見されており、犠牲者はさらに増える可能性があるという。
レスキュー隊は土砂が流入した河川とその周辺まで捜索範囲を広げている。
当局は少なくとも56人と連絡が取れないと報告している。地元住民も捜索活動や被災者の支援活動に参加している。
カラカスではNGOや人権団体が被災者のために寄付を集めている。あるプロ野球チームはファンに食料、水、衣料、粉ミルクなどの物資を提供するよう求めた。
支援活動に参加した男性はAP通信の取材に対し、「タオルと衣類を寄付する」と語った。この男性は1999年に7万人以上が自宅を失った土砂崩れの被災者であり、「被災した人の気持ちが痛いほど分かる」と語った。
当局によると、今回の土砂崩れで家屋300戸以上が全壊または損壊、少なくとも15の企業と学校が全壊したという。被害の全容はまだ明らかになっていない。
マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は10日、被災地を視察した。
マドゥロ氏は記者会見で、「被災者全員に新しい家が与えられ、ラステヘリアスは不死鳥のようによみがえるだろう」と語った。
またマドゥロ氏は国際社会の支援を歓迎すると述べたが、詳細は明らかにしなかった。マドゥロ政権はこれまで、ロシアや中国から食料や医療品を受け入れることはあっても、西側の人道支援受け入れには消極的だった。