◎当局は9日の声明で52人以上が行方不明と発表していた。
ベネズエラ当局は10日、北部アラグア州ラステヘリアスで発生した土砂災害について、これまでに25人の死亡を確認し、数十人の捜索を続けていると報告した。
土砂崩れは首都カラカスの南西約50kmの地点に位置するラステヘリアスの住宅地で9日に発生した。
レスキュー隊はドローンと災害救助犬を使って行方不明者を捜索している。当局は9日の声明で52人以上が行方不明と発表していた。
この地域では8日頃からハリケーン「ジュリア」の影響で大雨が続いていた。ジュリアは中米ニカラグアやエルサルバドルなどに暴風雨をもたらし、10日時点で19人の死亡が報告されている。
州政府によると、民家300戸以上が土砂崩れに巻き込まれ、市内の一部企業も影響を受けたという。
レスキュー隊は重機を使って泥や瓦礫を撤去している。一部の地元メディアは警察筋の話を引用し、「行方不明者はさらに増える可能性がある」と報じた。
10日に現地を視察したロドリゲス(Delcy Rodriguez)副大統領は記者会見で、「新たに3人の死亡を確認した」と語った。
レスキュー隊と警察は24時間体制で行方不明者を捜索している。
AP通信の取材に応じたラステヘリアスの住民は、「5つの河川が越水したと知り避難を開始したが、そのわずか数分後に土砂崩れが発生した」と説明した。
マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は10日、犠牲者のために全国で3日間の喪に服すと宣言し、ラステヘリアスに増援を派遣したと発表した。
ベネズエラではこの1週間、全国23州のうち11州で豪雨による洪水が発生している。
マドゥロ氏によると、政府は治安部隊やレスキュー隊を含む政府職員約2万人を被災地に派遣しているという。