▽ミャンマー軍政によると、1日午前時点の死者数は2719人、負傷者は4521人、行方不明者は確認できているだけで441人となっている。
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国連は1日、国際社会に対し、マグニチュード7.7の大地震で壊滅的な被害を受けたミャンマーへの支援を強化するよう要請した。
国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は記者団に対し、「援助を必要としているミャンマーの人々に支援の手を差し伸べることに引き続きコミットしている」と語った。
またデュジャリック氏は「この恐ろしい危機をさらに悪化させるモンスーンの季節が来る前に、世界は可及的速やかに行動しなければならない」と強調した。
この地震は3月28日の正午頃に発生。震源地はミャンマー中部、第2の都市マンダレー近郊、震源の深さは10キロ。その後もM6や5クラスの余震が相次いでいる。
ミャンマー軍政によると、1日午前時点の死者数は2719人、負傷者は4521人、行方不明者は確認できているだけで441人となっている。
被害の全容は明らかになっておらず、軍政の統治下にない地域でも被害が報告されている。ミャンマーの国土の半分以上が反体制派の支配下にある。
一部の専門家は死者数が数万人に達する恐れがあると警告している。
国連によると、飲料水、食料、医薬品、避難所、衣類や衛生用品など、あらゆる物資が全くといっていいほど足りないという。
ミャンマーでは地震が発生する以前から、内戦によって300万人以上が避難生活を余儀なくされていた。
被災地を視察した国連のミャンマー特使は声明で、国軍と反体制派は今すぐ武器を置き、被災地への立ち入りを許可し、援助関係者の安全を確保するよう求めた。
また特使は「被災地で軍事行動を続けることは、さらなる人命の損失を招く」と述べた。
ロシア、中国、インド、マレーシアなどがミャンマーに救援チームと支援物資を送っている。
軍事政権と対峙する民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」は3月29日、救援活動を促進するため、国軍との戦闘を一時停止すると発表した。
しかし、軍政はこの発表後も反体制派への空爆を続けているとみられる。
軍政が拠点を置くネピドーも地震で壊滅的な被害を受けた。軍政は反体制派の進出を恐れて攻撃を続けている可能性がある。
反体制派は23年10月に反攻を開始して以来、NUGや人民防衛軍(PDF)と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは1日、軍政は救援活動が行われている反体制派の支配地域への空爆を継続しており、それを裏付ける証拠や証言もあると明らかにした。
アムネスティのミャンマー担当は声明で、「片手で助けを求め、反対の手で爆弾を投下するなどあり得ないし、許されない」と述べ、軍政を非難した。