◎6月中旬以降の大雨がもたらした洪水の犠牲者は1700人近くに達し、50万人以上が避難所や屋外で寝泊まりしている。
国連は30日、洪水被害を受けたパキスタンの人道ニーズに応えるため、国際社会に8億ドルの追加援助を求めると発表した。
パキスタン国家防災管理庁(NDMA)によると、6月中旬以降の大雨がもたらした洪水の犠牲者は1700人近くに達し、50万人以上が避難所や屋外で寝泊まりしているという。
洪水により、390の橋と道路インフラ推定1万2000kmが破壊され、家屋約180万戸が浸水したと報告されているが、被害の全容は明らかになっていない。
国連パキスタン常駐調整官のハーメイス(Julien Harneis)氏は30日、首都イスラマバードで記者団に対し、「来週火曜日に新たな援助要請を国際社会に発信する予定だ」と語った。
国連は数週間前に1億6000万ドルの緊急支援を求めたものの、3300万人が被災したと推定されている未曽有の洪水に対処するためには、さらに多くの予算が必要と判断した。
ハーメイス氏によると、国連は「壊滅的な被害」に対応するため、レポートの改訂版を発行するという。避難所ではデング熱やマラリアなどの感染症が蔓延している。国連によると、感染症で死亡した被災者は確認できているだけで300人を超えた。
いくつかの国と国連は7月以降、援助物資を積んだ貨物便130便以上をパキスタンに送ったが、被災エリアはあまりに広く、物資が届いた地域はごく一部に限られているようだ。
国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は今月初め、被災地を視察し、国際社会に援助を劇的に加速させるよう訴え、同様の呼びかけを繰り返している。
パキスタン政府は被害額を300億ドルと見積もっている。