◎世界の海は地球温暖化、汚染、酸性化などの脅威に直面している。
国連は1日、世界の海洋を保護するための措置が遅れていると警告し、国際社会に取り組みを加速させるよう要請した。
ポルトガルのリスボンで5日間にわたって開催された国連海洋会議(U.N. Ocean Conference)には120カ国以上から6000人以上の高官、科学者、活動家が参加した。
国連は最終日に発表した宣言の中で、「海洋が直面している世界的な緊急事態に深く警鐘を鳴らす」と述べ、その持続可能性は地球にとって不可欠であるとした。
また国連は、「目標を達成するために必要な取り組みが進んでいない」と警告した。「海洋の悲惨な現状に対処するためには、あらゆるレベルでより大きな野心が必要です...」
世界の海は地球温暖化、汚染、酸性化などの脅威に直面している。
それを防ぐ鍵となるのが「公海条約」として知られる「国家管轄権を越える区域(Areas Beyond National Jurisdiction))の持続可能な利用に関する条約」である。
この条約は地球表面の約70%を占め、数十億人に食料と生活を提供している公海のための包括的な法的枠組みを確立することを目的としている。
しかし、協議期間は10年を超えたものの、交渉国はまだ合意に至ってもおらず、気候活動家をイライラさせている。5回目の協議は今年8月にニューヨークで予定されている。
グリーンピースは1日、「言葉だけでは意味がない」と声明を発表した。
環境保護団体Protect the Oceansも、「宣言で海を救えるなら、海は崩壊の危機に瀕していないはず」とツイートし、国際社会に行動を呼びかけた。
各国政府は来月の協議で、2030年までに世界の海洋の30%を保護することを求める条約の最終決定を目指す。
今回の会議にはフランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領とグテレス(Antonio Guterres)国連事務総長も参加した。
グテレス氏は「これまで海洋に関する世界的な合意が得られなかったのは、一部の国のエゴイズムのせいだ」と非難した。