◎当局は先月、この村が土砂に飲み込まれる可能性があるとして、住民に避難を命じた。
スイス中部ベルニーズアルプスの集落ブリエンツ郊外に巨岩を含む岩石流が押し寄せた。地元当局が16日、現地の状況を明らかにした。
ブリエンツは世界経済フォーラム(ダボス会議)が毎年開催されることで有名なダボスの南西、標高約1150mに位置する人口約100人の小さな集落である。
当局は先月、この村が土砂に飲み込まれる可能性があるとして、住民に避難を命じた。
地元メディアよると、この数日、山肌がむき出しになった斜面を転がり落ちる岩石の数が増加傾向にあったという。
地元議会は16日の声明で、「15日の午後11時から深夜にかけて山肌が大きく崩れ、すぐ近くの住宅に迫った」と明らかにした。
それによると、岩石流は村のすぐそばで止まったという。
ブリエンツ周辺で調査に当たっている地質学者は16日の記者会見で、「斜面の岩石の約3分の2(初期推定で120~150万立法メートル)が15日夜に流出した」と説明した。
地元当局は暗闇の中で何が起きたのか判断できなかったため、警戒レベルを一段階上げ、そこに通じる道路と鉄道を閉鎖し、数キロ離れた村にも避難指示を出した。報道によると、この避難指示は16日昼に解除されたという。
当局は先週、ブリエンツの住民に一時帰宅(90分)を許可し、必要な家財を持ち出せるようにした。
当局は「リスクレベルに応じて一時帰宅を許可することがある」と述べているが、そこで一夜を過ごすことはできないとしている。