◎スーダンの雨季は5月から9月まで続き、8月から9月にピークを迎える。
スーダンの軍事政権は16日、全国で大雨による浸水被害が相次ぎ、少なくとも66人が死亡、民家約2万4000戸が全壊または損壊したと発表した。
軍報道官は13日の声明で少なくとも50人が死亡したと報告していた。
軍の市民防衛評議会によると、これまでに66人の死亡を確認し、28人が医療機関に搬送された。また民家約2万4000戸が洪水や浸水により全壊または損壊し、数万人がどこかに避難したという。
スーダンは2019年4月の無血クーデターで独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)を追放し、民主化への道を歩み始めていたが、昨年10月の軍事クーデターで計画が頓挫して以来、機能不全に陥っている。自国通貨は暴落を続け、インフレ率は200%に達し、食料と日用品不足が常態化した。
軍事政権を率いるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍はより良いスーダンを築くと主張してきたが、国家運営に失敗し、治安の悪化を招いた。
軍事政権に支援を提供している人道団体によると、全国18州のうち12州で約13万6000人が大雨や洪水の影響を受け、数万人が国内避難民になったという。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は全国の238の医療施設が浸水したと報告している。OCHAによると、特に被害が深刻な地域はダルフール西部、ナイル川州、白ナイル州、西コルドファン州、南コルドファン州。
スーダンの雨季は5月から9月まで続き、8月から9月にピークを迎える。国連の推計によると、昨年スーダンで洪水被害に遭った人は31万人以上にのぼり、その一部は今もどこかの難民キャンプに身を寄せているという。
昨年の雨季の洪水関連死は確認されているだけで80人。2020年の洪水では少なくとも100人が死亡し、民家10万戸以上が全壊または損壊したとみられる。当時の政府は3カ月間の非常事態を宣言した。