◎スーダンの雨季は5月から9月まで続き、8月から9月にピークを迎える。
スーダンの軍事政権は13日、東部地域などの洪水で50人以上が死亡し、民家8000戸以上が浸水したと報告した。
軍事政権の報道官によると、北コルドファン州で19人、ナイル川州で7人、ダルフール西部地域で16人、その他の5州で数人が死亡し、全国の死者数は50人を超え、民家少なくとも8170戸が浸水したという。
各州の洪水発生日は明らかにされていないが、AP通信などは数日前から広い範囲で大雨が降り続いていると報じている。
スーダンの雨季は5月から9月まで続き、8月から9月にピークを迎える。国連の推計によると、昨年スーダンで洪水被害に遭った人は31万人以上にのぼり、その一部は今もどこかの難民キャンプに身を寄せているという。
スーダン国営テレビによると、負傷者は数百人にのぼるとみられるが、正確な数は不明。AFP通信は政府筋の話を引用し、「東部や中部の広い範囲が浸水し、数千人がどこかに避難した」と報じている。
国営テレビは「洪水と大雨により、16の政府施設と多くの企業・小売店が浸水し、全国で少なくとも540エーカーの農地が被害を受けた」と報じた。
世界で最も貧しい国のひとつであるスーダンは昨年10月の軍事クーデターで大混乱に見舞われ、食料・燃料価格の高騰が混乱に拍車をかけている。
政府の公式データによると、昨年洪水で死亡した人は少なくとも80人、全国で数万戸が浸水した。2020年には約100人が死亡し、10万戸以上が浸水したという。
人権団体によると、被災者は国際機関の人道支援に依存しているという。軍事政権は被災地の住民に避難を呼びかけているが、支援を提供する余裕はないとみられる。