◎スーダンの18州のうち15州で少なくとも25万8000人が被災し、その多くが国内避難民になった。
スーダンの軍事政権は5日、この1週間で浸水被害がさらに拡大し、5月以降の大雨による死者が確認されているだけで112人に達したと報告した。
軍の報道官によると、被害が深刻な地域はダルフール西部、ナイル川州、白ナイル州、西コルドファン州、南コルドファン州で、これらの地域の住民数万人がどこかに避難したという。
報道官は「雨期が平年より早く始まり、全国で少なくとも民家8万5000戸が浸水被害に遭い、多くの医療機関、学校、政府機関も影響を受けた」と説明した。
死亡が確認された112人のうち74人が溺死、6人が感電死した。残り32人は家屋の崩壊に巻き込まれて死亡したと報告されている。
スーダンの雨季は5月から9月まで続き、8月から9月にピークを迎える。国連の推計によると、昨年スーダンで洪水被害に遭った人は31万人以上にのぼり、その一部は今もどこかの難民キャンプに身を寄せているという。
昨年の雨季の洪水関連死は確認されているだけで80人。2020年の洪水では少なくとも100人が死亡し、民家10万戸以上が全壊または損壊したとみられる。当時の政府は3カ月間の非常事態を宣言した。
国連は先週、スーダンの18州のうち15州で少なくとも25万8000人が被災し、その多くが国内避難民になったと報告した。
スーダンは2019年4月の無血クーデターで独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)を追放し、民主化への道を歩み始めていたが、昨年10月の軍事クーデターで計画が頓挫して以来、機能不全に陥っている。
自国通貨は暴落を続け、インフレ率は200%に達し、食料と日用品不足が常態化した。