◎スペインとポルトガルの広い範囲で山火事が発生し、数万人が避難を余儀なくされている。
スペインの鉄道インフラ整備管理公社(ADIF)は18日、北西部カスティーリャ・イ・レオン州サモラ県の山火事の影響で旅客列車が緊急停止を余儀なくされたと発表した。
乗客によると、列車は18日朝、サモラ県の田園地帯を走行中に突然停車したという。
AP通信の取材に応じた男性は、「外を見て異変に気付いた」と語った。「外を見ると、炎がすぐ近くに迫っていました。反対側の窓を見ると、やはり炎が見えました...」
イベリア半島はアフリカ北部から流れ込む熱波の影響でひどく乾燥し、猛暑が続いている。その結果、スペインとポルトガルの広い範囲で山火事が発生し、数万人が避難を余儀なくされている。
サモラ県も影響を受けた地域のひとつであり、広い範囲で炎が確認されている。
AP通信の取材に応じた男性は、「本当に恐ろしかった」と当時の様子を語った。「炎の勢いはすさまじく、近くの茂みが恐ろしい勢いで燃えました...」
地元メディアは乗客が撮影した車内の映像を報じている。多くの乗客があっけにとられた様子で炎を眺めていた。
サモラ県によると、過去2日間の火災で少なくとも2人が死亡、数百人が避難を余儀なくされたという。消防士と酪農家が炎にまかれ、死亡した。
ADIFの広報担当はAP通信の取材に対し、「乗客にケガはなく、列車は目的地に無事到着した」と説明した。
政府によると、山火事は少なくとも30カ所で確認され、この1週間で220㎢(東京ドーム4700個分)が焼失したという。