◎スペインはこの3年、高温と極度の乾燥に悩まされている。
スペイン政府は10日、猛暑期間中の屋外作業を禁止する法案を国会に提出すると発表した。
首相府の報道官によると、サンチェス(Pedro Sanchez)首相は労働法を改正し、AEMET(スペイン国立気象局)が猛暑警報や熱中症警戒情報を出した時は屋外での作業を禁止したいと考えているという。
AEMETは屋外活動が生命に危険を及ぼすと判断した際、このような警報を出す。
スペインはこの3年、高温と極度の乾燥に悩まされている。
AEMETは今週、先月の平均気温が1961年に統計を取り始めて以来、初めて15度近くに達したと発表。観測史上最も乾燥した4月となり、全国の27%が「干ばつ」のカテゴリーに分類される事態となった。
全国の平均貯水量は50%を下回っている。
首相府は声明で「近日中に改正案を公表する」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
サンチェス氏は11日に干ばつ対策に関する臨時閣議を開く予定である。
この労働法改正案に建設労働者、清掃員、農家、警察、消防士、庭師などの労働者が含まれるかどうかは不明である。
南部アンダルシア地方など、高温に慣れている地域の建設労働者は夏の間、労働時間を午前中に限定している。
首都マドリードでは昨夏、臨時の道路清掃員として雇われた男性が熱中症で死亡した。