◎スペインの今年の雨量は平年を大幅に下回り、全土のダム、貯水池、河川の水位が低下している。
スペインのカタルーニャ州政府は22日、数カ月にわたる干ばつで農作物に深刻な影響が出ているため、給水制限を行うと発表した。
地元メディアによると、バルセロナの水不足が特に深刻だという。
州政府の報道官は声明で、「カタルーニャ自治州の人口の80%(約670万人)が制限の対象となる」と説明した。
また報道官は市民に水の無駄遣いをやめ、水危機が目の前に迫っていることを認識する必要があると警告した。
給水制限は25日から始まり、農地用の灌漑(かんがい)用水路も対象に含まれる。
都市部の市民は洗車やプールの使用などを禁じられる。またバルセロナを含む500以上の市町村は公共施設の噴水や道路清掃時の水の使用などを停止する。
報道によると、スペインの今年の雨量は平年を大幅に下回り、全土のダム、貯水池、河川の水位が低下しているという。
南部アンダルシア州セビリアも9月に給水制限を開始し、現在も維持している。
当局によると、セビリア郊外にある多くの貯水池の水位が低下し続けているという。カタルーニャ地方の貯水池の容量も平均34%まで低下した。
政府は2008年、数カ月にわたる干ばつの末、タンカーでバルセロナに飲料水を移送した。
政府はこの干ばつを受け、バルセロナ近郊に欧州最大規模の「海水淡水化プラント」を建設した。報道によると、このプラントの現在の容量は約90%。
州政府の報道官は声明の中で、「雨が降っていくらか危機が緩和されたとしても、カタルーニャは他の国々と同じように、極端な干ばつに悩まされ続けるだろう」と述べている。
専門家によると、地中海沿岸地域は地球温暖化の影響を最も強く受けている地域のひとつだという。今夏は乾燥の影響で山火事が多発した。