◎カナリア諸島はこの数年、スペイン本土と同じく高温と干ばつに見舞われている。島の年間降水量は平均以下が続いていた。
アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島で山火事が猛威を振るっている。現地メディアは19日、この数日で少なくとも8000人が避難を余儀なくされたと報じた。
カナリア諸島政府は19日にテネリフェ島の住民4000人に避難命令を出した。報道によると、18日の避難命令は住民4500人が対象となっている。
当局はテネリフェ島の避難者数について、数万人に達すると予想している。
カナリア諸島はこの数年、スペイン本土と同じく高温と干ばつに見舞われている。島の年間降水量は平均以下が続いていた。
スペイン本土も現在、新たな猛暑に備えている。
スペイン国立気象局(AEMET)は19日、今後数日間で気温が急上昇し、一部地域で40度に達する恐れがあると警告した。
スペインは昨年、記録的な猛暑に見舞われ、長引く干ばつで山火事が多発。今年も各地で最高気温を更新する事態となっている。
カナリア諸島政府によると、テネリフェ島の避難者数は2万6000人を超える可能性があるという。
また同政府は進行中の山火事について、「高温で乾燥した大地と強風が炎をあおり、消火能力を完全に上回っている」と警告した。
テネリフェ島のこの4日間の焼失面積は50㎢(東京ドーム1070個分)と推定されている。消防士たちは炎が接近しつつあるエリアで木を切り倒したり、消火剤をまいたりしているが、炎の勢いに圧倒されている。
近くのラ・パルマ島で先月発生した山火事では2000人以上が避難を余儀なくされた。焼失面積は45㎢と推定されている。
欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、スペインは今年、EU加盟国の中で最も大きな被害を受け、全国の焼失面積は750㎢(東京23区面積の1.2倍)に達したという。