◎9日午前の時点で建造物への被害は確認されていないが、民家や商業施設など、3万6328棟が危険エリアに含まれている。
米カリフォルニア州ロサンゼルス東方(南カリフォルニア)の山林で発生した山火事について、消防当局は9日、焼失面積が2万1000エーカー(85平方キロメートル)を超え、この地域の建造物3万6000棟以上が脅かされていると警告した。
現場は人口約22万人のサンバーナーディーノ郊外。今月5日に出火し、消火活動にあたっていた消防士3人が負傷している。
州消防局によると、全体の鎮火率は3%。9日午前の時点で建造物への被害は確認されていないが、民家や商業施設など、3万6328棟が危険エリアに含まれている。
同局は声明で、「炎は乾燥、強風、傾斜の影響で急成長し、9日も暑く乾燥した天候が続くため、注意が必要である」と述べた。サンバーナーディーノ郡には広い範囲に高温注意報が発令されている。
また同局は「消防飛行機やヘリが地上の消防士を支援している」とした。
国立気象局(NWS)によると、カリフォルニア州の気温は来週初め頃には下がり始める見通し。しかし、太平洋からの風は依然として強く、山火事を煽る可能性がある。
ニューサム(Gavin Newsom)州知事は8日、サンバーナーディーノに非常事態を宣言し、山火事の進路上の地域に避難命令を出した。この対象地域は8日午後に拡大されている。
北カリフォルニアとネバダ州でも山火事が発生しており、消防が消火活動に当たっている。
米国の山火事シーズンは10月末頃まで続く。
カリフォルニア州では昨年、約7100件の山火事が報告され、1300平方キロメートル(東京23区の2倍)が消失した。全米の焼失面積は8000~1万2000平方キロメートルと推定されている。