◎今年のエルニーニョ現象は強力であり、ブラジルでは一部地域で大雨となる一方、アマゾンでは歴史的な干ばつが進行中である。
ブラジル南部リオグランデドスル州の広い範囲で発生した洪水について、消防当局は5日、これまでに60人の死亡を確認し、101人が行方不明になっていると明らかにした。
それによると、少なくとも155人が負傷し、8万人以上が避難を余儀なくされたという。
自治体が開設した避難所には約1万5000人が身を寄せている。
TVグローボは自治体関係者の話しとして、「洪水や土砂崩れがあちこちで報告され、鉄塔が倒壊したり、橋が流されたという情報もある」と伝えている。
それによると、数十万世帯で断水が発生し、インターネットが遮断された地域もあるという。
ルラ政権の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「80万人以上が水の供給を断たれている」と書き込んだ。
ソーシャルメディアで共有された動画には州都ポルトアレグレ郊外の町からボートで避難する人々が映っていた。救助隊員は肩まで泥水につかり、何とかボートを引っ張っていた。
地元当局によると、ポルトアレグレの中心部を流れる河川の水位は5日午前の時点で5.33メートルに達し、1941年の大洪水時に記録した4.76メートルを大幅に上回ったという。
ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は5日、国防相らを引き連れてリオグランデドスル州に入り、被災地を視察した。
ブラジルでこの規模の洪水が発生したのは過去1年で4回目。23年7月、9月、11月に計75人が死亡している。
今年のエルニーニョ現象は強力であり、ブラジルでは一部地域で大雨となる一方、アマゾンでは歴史的な干ばつが進行中である。