SHARE:

南アフリカ豪雨、政府が「国家災害」を宣言、数十人死亡

北部を中心に、数週間にわたる激しい雨が各地で洪水を引き起こしている。
2026年1月16日/南アフリカ、ムプマランガ州、大雨により冠水した通り(AP通信)

南アフリカ政府は18日、豪雨と洪水による甚大な被害を受けて「国家災害」を宣言した。この宣言は甚大な被害に対して国家レベルでの支援と対策を迅速に進めるために行われたもので、中央政府が被災地への救援や復旧活動を統括することを可能にするものだ。

北部を中心に、数週間にわたる激しい雨が各地で洪水を引き起こしている。これまでに少なくとも30人が死亡し、何千もの住宅が浸水・損壊したほか、道路や橋などのインフラにも深刻な被害が出ている。特にリンポポ州とムプマランガ州で死者と被害が集中し、地元当局は被災者の救援活動に全力を挙げている。

国家災害宣言は国家災害管理センターの長によって発出され、政府が救援物資の調達や資金配分、緊急対応チームの派遣などを統括する体制が整えられた。これにより、多くの地域で混乱していた支援活動の一元的な調整が可能となる見込みだ。

豪雨と洪水の影響は南アフリカ国内に留まらず、隣国のモザンビークやジンバブエも同様の天災に見舞われている。南アフリカとこれら近隣国を合わせると、昨年末からの大雨による死者は100人を超え、地域全体が広範な災害に直面している。モザンビークでは洪水や落雷、さらには衛生状態の悪化に伴うコレラ発生などが重なり、深刻な被害が続いている。

今回の洪水により、南アフリカの代表的な観光地であるクルーガー国立公園も閉鎖に追い込まれた。広大な敷地内のいくつかのキャンプ場が冠水し、数百人の観光客や職員が避難を余儀なくされた。観光業界にも大きな影響が出ており、地域経済への波及が懸念されている。

リンポポ州政府は、同州内だけで被害額が約2億4000万ドル(約380億円)に上るとの見積もりを明らかにし、多くの住宅や建物が完全に流失した地域もあると述べた。これに伴い、公的な救援物資の配布や仮設住宅の建設など、中長期的な復旧支援が不可欠となっている。

南アフリカでは洪水による大規模な被害が繰り返されてきた。2025年には東ケープ州で100人以上が死亡する洪水災害が発生し、2022年にはクワズール・ナタール州で400人を超える死者が出たこともあり、今回の災害はこうした脆弱性を改めて浮き彫りにしている。

気象当局は引き続き大雨の可能性を警告し、さらなる洪水や二次災害のリスクが高いとして警戒を呼びかけている。政府は軍や緊急対応チームを動員し、被災者の救助や支援物資の輸送、浸水地域の安全確認などに全力を挙げる方針だ。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします