◎一部地域はまもなく6年連続で雨期を逃す予定だ。
国連は28日、東アフリカのソマリアにおける干ばつで600万人以上が危機的な状況に置かれていると警告したうえで、大飢饉が発生する可能性は低いという評価結果を公表した。
国連と関連機関がまとめたレポートによると、今年4~6月にかけて25万人近くが飢餓に陥るという以前の予測は見直すことができ、大飢饉が発生する可能性は低くなったという。
国連は首都モガディシオと南西部の都市に避難している人々の死亡率が高いと指摘しているが、死因などの詳細は明らかにしていない。
ソマリアの一部地域はまもなく6年連続で雨期を逃す予定だ。専門家によると、進行中の干ばつは過去最悪レベルとみられ、国土の90%が極度の干ばつに見舞われている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)やユニセフなどは26万人が死亡したと推定されている2011年の飢饉よりひどい状況に陥る可能性があると警告している。
ソマリア政府はイスラム過激派組織アルシャバーブと戦争状態にあり、難民への支援は国際社会に頼り切っている。国際移住機関(IOM)によると、市民380万人が避難民となり、家畜数百万頭が食料・水不足で死んだという。
国連はレポートの中で、「ソマリアでは今年、50万人近い児童が深刻な栄養不足に陥る可能性がある」と警告した。
昨年末に公表された前回評価ではモガディシオなどに避難した多くの人々が飢餓に陥ると予測していた。しかし、今回の評価はより多くの人道支援が現地に届き、一部地域では降雨も予想されているとして、食料不安は若干緩和するとしている。
しかし、国連は「飢饉を回避できるか否かは人道支援と雨にかかっている」と警告し、最悪の事態を考慮した「強力な人道支援」が必要と強調した。
国連は▽世帯の5分の1以上が極度の食料不足に陥る▽児童の30%以上が急性栄養失調に陥る▽1日当たりの餓死者数が1万人中2人を超えた場合、飢饉を宣言する。